昨年11月の第25回国家戦略特別区域諮問会議(写真)で、獣医学部新設が設置審にかけられることが決まった(画像は首相官邸HPより)

写真拡大

加計学園問題で安倍首相による優遇は本当にあったのか。内閣府国家戦略特区諮問会議の民間議員を務める八田達夫・公益財団法人アジア成長研究所所長が、自らが見聞きしてきた事実を基に問題の「真相」に迫る。

「安倍首相は、国家戦略特区における獣医学部新設にあたり、加計学園を優遇したのではないか」という疑惑が持たれている。議論が紛糾するなか国会は閉会したが、与野党による閉会中審査が行われるなど、火種は依然として燻っている。

 しかし筆者は、国家戦略特区の仕組み、および実際の申請の経緯から見て、そのような優遇はあり得ないと考えている。加計問題の議論を適切な方向へ導きたいという思いから、筆者自身が民間議員を務める内閣府国家戦略特区諮問会議と、座長を務める特区ワーキンググループとで見聞きしてきた事実を紹介しながら、筆者なりの見解を示したい。

獣医学部新設に関する
文科省告示は「岩盤規制」の見本

 まず、獣医学部の新設を制限している文科省の告示の背景を明らかにし、次に、特区における指定プロセスを説明しよう。

 既得権を持つ者は、利権を守るために、新規事業者の参入を阻止しようとして政府に規制をさせる。これが各省・各業界団体による「岩盤規制」だ。参入規制の撤廃は、新しい産業の成長をもたらすことが多い。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)