フジテレビ、第4回「ドラマ甲子園」の大賞決定

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フジテレビは7月10日、全国の高校生を対象に脚本募集した、第4回「ドラマ甲子園」の授賞式を開催。大賞には東京都在住の栗林由子さん(17歳)の「青い鳥なんて」が選ばれた。

「ドラマ甲子園」は、一番感受性が高く、クリエイト能力が花開く時期である高校生を対象に、演出家の才能発掘のため2014年にスタートした企画。第4回となる今回、大賞に選ばれた「青い鳥なんて」は、主人公の女子高生が学年一の秀才と青い鳥を保護センターに届けに行く夏の終わりの一日の出来事をつづった作品だ。

大賞を受賞した栗林さんは「幼い頃からドラマや映画、演劇に憧れており、今回このような体験をさせていただけるということは未だに夢のようです」と喜びのコメント。以前から「演劇部などで脚本を書く機会に恵まれ、書く楽しみを感じてきましたが、そんな中でドラマ甲子園という素晴らしい企画があることを友達に教わり感激しました。初めは、ただその友達に面白がって読んでもらえたら、という気持ちで書いていました。ドラマの脚本を書くということは、舞台とはまた違って自由度も高く、新鮮な体験でした。書くこと自体が本当に面白くて、それだけでもこのドラマ甲子園にお礼を言いたい気分でした」と、応募の動機を明かした。

結果、大賞を獲るとは本人も思っていなかったそうだが、「実際に映像になったらどれだけ楽しいんだろうと勝手にワクワクしていたことを覚えております」と振り返る栗林さん。そして「今回、プロの方たちと共にそれを実現できることに驚きと喜びでいっぱいです。未熟で至らないところばかりですが、この夏は精一杯努力して皆さんに楽しんでいただけるような作品を作りたいです」と、実際に映像化することを楽しみにしている様子だ。

なお、大賞に選ばれた作品は、執筆者本人(栗林さん)の演出で、プロのスタッフがサポートしプロの俳優たちの出演で、テレビドラマとして制作。CS放送フジテレビTWO ドラマ・アニメにて10月放送予定(フジテレビTWOsmartでも配信予定)だ。

☆「青い鳥なんて」あらすじ

8月31日、夏休み最後の日。高校2年生の麻寺夏恋愛(あさでら・かれあ)は彼氏の水野海斗が浮気していると思い、別れようとしていた。同じ時、清楚なお嬢様の同級生、吉井なずなは学年一の秀才、関谷紘一のことが気になっていた。勉強していた紘一は図書館の外に弱った“青い鳥”が置いてあるのを見つける。ちょうどそこにやけになった夏恋愛が下り坂を自転車で駆け下りて来て、紘一とぶつかりそうになる。夏恋愛と紘一は青い鳥を離れた町にある動物保護センターまで届けに行くことに。それまでほとんど話したことのなかった2人だが向かう道中でお互いの事を少しずつ話し出す。海斗への想いに悩む夏恋愛と恋愛は無駄だと言う紘一は全く意見がかみ合わない。しかし、話していくうちに少しずつ互いに影響を受けはじめそこには友情らしきものが……。一方、海斗にはなかなか夏恋愛に言い出せない事情があった。そんな高校生たちの“青い鳥”をめぐる夏休み最後の一日の出来事をリアルに描く。

☆総評/選考委員長:清水賢治氏(執行役員常務 経営企画局長)

高校生が脚本を書いて監督する。とてもシンプルな企画がこの「ドラマ甲子園」です。でも実は企画した当初は社内では懐疑的な人が多かったものです。それはプロから見たらそんなこと出来るわけないだろう、という疑問があったからです。もし月曜9時のドラマ枠にいきなりそういうことをすると言ったら危険すぎることでしょう。でも私の長いプロデューサー経験では、初めて監督した人がセンスある素晴らしい演出、編集をする場合がありました。脚本もまた最初から表現できる人は存在します。確かにテクニックは拙いかもしれませんが、描かれるキャラクターと世界観の創造は実は天性のものかもしれないと思ってしまいます。そして何故高校生なのかというと、人間の才能が一番純粋に抽出できる年齢は高校生だと思っているからです。大学以上になると時間の余裕もできて、趣味にお金も使えます。そうすると、飛躍的に吸収する知識・経験が増加します。

その人本来の才能はそうしてますます開花します。でもそこで失われるものもあるのです。それはその人が創作したいものの純度です。新たに知識を得るとそれは自分の引き出しにはなりますが、その分その人のオリジナル度は薄れてしまいます。そうやってどんどん完成度は高まるけれども純度は薄まる傾向があるのです。また、高校生は時間の制約があります。受験もあるでしょう。その不自由な時間(遊びには行けないけどデスクに張り付いている)が創作には向いているのではないかと思っています。

以上の理由から高校生に脚本を募集して最優秀作品には監督もしてもらうこのドラマ甲子園が誕生しました。

今回もたくさんの応募作品があり、皆さんの創作エネルギーには感心しました。やはり同世代ものが多いですが、それでも様々なジャンルがありました。でも不思議なもので何故か共通する流行りみたいなものは毎年あります。今年は大きくいうと幽霊もの?という感じがしました。やはり、そのときのヒット作に影響されることはあるのでしょう。共通して言えるのはセリフのディテールがまさに今というところです。小道具の使い方もそうです。これは大人には書けないなとつくづく思います。

過去の受賞者がさらに活躍しているのも嬉しいことです。第一回大賞の青山ななみさんは「19歳」というドラマをフジテレビで作り、業界で話題となっています。問い合わせも多く、プロの皆さんから高く評価されました。また、第二回の丸山美海さんも大学で創作活動を続けているというのでどこかで出会うことを期待しています。皆さん無事に受験を突破し、どのような形でも創作活動を継続されていることは私達にとっても励みとなっています。

皆さんは自分が思う以上に才能があるのです。ぜひ、これからも創作することを続けてほしいと切に願います。