マツダ CX-3のガソリンエンジン搭載「20S L Package」2WD車(写真: マツダの発表資料より)

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 マツダはCX-3のマイナーチェンジを行い、2017年6月末にディーゼル車を販売開始、7月末にはガソリン車を発売する予定だ。6月初めには、CX-3のガソリン車はすでに新燃費基準「WLTCモード」を認可取得したと報じられている。日本の省エネ法に基づき、2018年10月以降に販売される新型車については、この「WLTCモード」燃費の表示が義務化されることを先取りした形だ。しかし、なぜこんなにも燃費についてシビアになってきたのだろうか。

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 そもそもマツダCX-3は、EU諸国のメーカーと同じようにクリーンディーゼルエンジンで燃費規制をクリアしてきた。それがこれから始まる2021年の燃費規制では、EUでも不十分となるのだ。

■先進的な米・カリフォルニア州も2018年モデルから規制強化

 世界で最も早くから燃費規制を始めたのが米カリフォルニア州である。米国の中でも巨大な自動車市場である同州では、ZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)の普及をなかば強制的に推し進めている。ZEVとは、“走行中にCO2や有害物質を排出しない次世代カー”のことで、燃費規制の伝統のあるカリフォルニア州では一定比率以上販売しなければならない。(ZEVは「ぜぶ」と読むらしい。)

 ZEV、つまりは無公害車であるから、対象から外れる車はガソリン車はもちろんのこと、ハイブリッド車(HEVまたはHV)も入り、認められるのは、EV、FCV(燃料電池車)、PHEV(プラグインハイブリッド)である。

 しかし現時点では、EVはバッテリー価格や航続距離、FCVは水素の供給インフラに課題が多く、普及には限界があると思われる。

 かつてエコに関心の高かったハリウッドセレブたちがこぞって購入したトヨタ・プリウスも、PHVに絞らざるを得ないだろう。そのほか、日本車では、EVで先行している日産自動車「リーフ」「ノートeパワー」、7月発売の三菱自動車「アウトランダーPHEV」などが注目されるが、各社とも世界の燃費規制をクリアしなければ、シェア獲得競争には勝ち残れなくなるのである。

■世界でも厳しいEUの燃費規制

 その根底にはもちろん、「地球温暖化」の問題がある。この温暖化の原因には二酸化炭素(CO2)が大きく影響するため、石油や石炭など化石燃料の燃焼などによって排出されるCO2を減らそうとする世界的な試みがあり、ガソリンを燃焼する車の燃費規制にもかかわってくるわけだ。

 EUも燃費規制に積極的で、世界で最も厳しいCO2排出量の削減を目指している。どのくらい厳しいかの指標は、平均して、2015年規制値では燃費がリッターあたり17.8kmなのに対し、2021年規制値ではリッターあたり24.4kmをクリアしなければならない。ちょっと計算しただけでも現在の3割増しはしなければならないだろう。

 それも、ゆるい日本のJC08モードではなく、厳しいEUモードで測らなければならず、クリアできなかった場合はメーカーに罰金が科せられるのである。

 マツダもクリーンディーゼル技術だけでは、今後の燃費規制はクリアできない状況であり、CX-3もその例外ではない。世界は紛れもなく燃費規制の方向に進んでいるのであり、早いうちにマツダも明確な技術的方向性を出さざるを得ないだろう。