Inc.:スティーブ・ウォズニアック氏は、イノベーションがどういうものかを少なからず理解しています。Appleの共同創業者として、”ウォズ”は、Apple初のコンピュータ「Apple I」を自らの手で作り出した、その人だからです。

ウォズニアック氏は、近い将来、ムーンショット(時代を変えるようなイノベーション)を達成する可能性が高い企業が1つあると考えています。それはAppleではありません。

「Teslaは今のところ、最良の方向へ進んでいると思う」と、ウォズニアック氏は先日、Bloombergのインタビューに答えて話しています。「彼らは非常にリスキーな事業に膨大なエネルギーを注ぎ込んでいる」

Teslaは近年、エネルギー分野に進出していますが、ウォズニアック氏はTeslaが取り組んでいる輸送交通システムがムーンショットになると指摘します。「大都市の交通渋滞を解消するために地下を掘削するアイデアや、飛行機を使わずに高速輸送を実現するハイパーループといったアイデアだ」と彼。「私ならTeslaに賭ける。常識ハズレで斬新なアイデアをたくさんもっているTeslaにね」

Teslaは、イーロン・マスク氏が今年ロサンゼルスでスタートした「The Boring Company」や、2013年に構想が発表された高速輸送鉄道「ハイパーループ」とは直接的には関わっていません。しかし、こうしたイノベーションはどちらも、Teslaが開発中の自動運転技術と強い結びつきがあります。ウォズニアック氏は、人びとが移動する手段に革命が起きれば、世界に甚大な影響があるだろう、と語っています。

「誰にとっても交通手段は必要だ」とウォズニアック氏。「[自動運転技術]が自分たちの生活を大きく変えることを誰もがわかっている」

ウォズニアック氏とスティーブ・ジョブズ氏は、HPの元従業員同士で、1976年にAppleを共同で創業しました。ウォズニアック氏は1985年にAppleを辞めましたが、同社の株式の一部を保有しており、その価値は1億ドルに相当します。彼は現在、シリコンバレーのソフトウェア企業Primary Dataのチーフ・サイエンティストとして働いています。 Appleの現在の時価総額は7,500億ドルです。

このインタビューの中で、ウォズニアック氏は、自分自身が使いたいプロダクトを思い描き、設計プロセス全体を監修する、マスク氏のような人物が舵をとっているからこそ、Teslaはうまくいくのだ、と語っています。「これは本当にイーロン氏自身のために作られたものだ。彼はこういう車が好きだったんだね」とウォズニアック氏は2010年に発表されたTeslaの最初の自動車「モデルS」について語っています。「これは、1人の人間の理想を忠実に実現したものだ」

「考えが自分自身から生まれ、自分は何が欲しいのかを本当に理解していて、それにおいて主導権を握っている。そして、誰にも少しも邪魔させない。そうすれば、最高のプロダクトを手にすることができる」