テレビで見ているだけでは、豪雨・洪水がそれほど危険なものだとは思わないかもしれません。泳ぎに自信がある人ならなおさらです。しかし、突発的な洪水は、非常に危険なもので、何の警告もなしに突然襲ってきます。今回は、外を歩いていたり、車を運転しているときに、突然の豪雨・洪水に見舞われたときの対処法を紹介します。

生き残るチャンスを増やすには、意識を高め、予防策をとっておくことです。突発的な洪水は、雲や豪雨など、わかりやすい前兆を伴わずに起きることがあります。ですので、地域の気象情報サイトにサインアップして通知を受け取るようにし、天気が怪しくなってきたと感じたら、局地予報をチェックしてください。また、地域の洪水が発生しやすい場所を抑えておくことも重要です。特に、峡谷、排水路、河床など、標高が低い場所は要注意です。

外を歩いているときの対処法

洪水という言葉を聞いたら、すぐに高台に上がって、助けがくるまで待機してください。路上に溢れ出す水が見えたら、アメリカ海洋大気庁のアドバイス「迂回すべし。溺れるべからず」に従うことです。どんなに浅く見えても、流れている水の中には絶対に進入してはいけません。流れている水は深さわずか6インチ(15センチ)ほどでも、足を取られ、ひっくり返される危険があります。頭を打つか、骨が折れるか、悪くすれば、もっと深く、流れが速いところへ流される可能性もあります。水がくるぶしより深ければかなり危険です。視界が悪くなる夜間ならなおさらです。

どうしても水の中を歩かなくてはならない場合は、浅く、水が流れていない場所を探し、頑丈な棒を使って水の深さと、水の下の地面の硬さを確かめながら歩くようにします。泥や滑りやすい地面の上を歩くと転倒する危険があります。子どもを連れているときは、できるかぎり、水の中に入れないように持ち上げて運んでください。また、高台に上がるときには、電気機器に触れたり、近くを通らないように気をつけてください。あなた自身、水に濡れたり、足を水につけているでしょうから、感電する危険があります。洪水の水が家に近づいてきたら、家の中でも電気を使わないようにします。

ユタ州統合消防局レスキューチームのDesmond Johnson氏は、洪水に襲われたときは、できるだけ早く何かをつかむか、何かの上に登るようにとアドバイスしています。水に流されたら、仰向けに浮かぶようにし、大きながれきや破片が自分に向かってきたら、手で押しのけてください。また、障害物があったら必ず上を越えるようにしてください。下をくぐろうとしてはいけません。うまく何かを掴むことができたら、足を下流に向け、大声で助けを呼び、可能であれば手を振ります。Johnson氏は、救助チームが水の中にいる人を見つけるのはそれほど簡単ではないと言っています。ですので、見つけてもらえるよう、あらゆることをしてください。救助されるまで、大声で叫び、手を振り続けてください。

車に乗っているときの対処法

突発的な洪水のときに車を運転するのは非常に危険です。アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁のガイドラインによると、わずか6インチの水でも、車はコントロールを失い、失速してしまうそうです。また、水深が1フィート(30センチ)になると、多くの車が浮かび上がり、水深2フィート(1m)になれば、SUVやピックアップトラックでも流されてしまいます。車のスピードが出ていれば、わずか4分の1インチの深さでも、ハイドロプレーニング現象が起きる危険があります。ですので、速度を落とし、周囲への注意を怠らないようにしてください。

安全性が確認できないときは、水の上を車で渡ろうとしてはいけません。きっと良くないことが起こります。車中からでは正確な水の深さはわからないし、さらに深みへと進んでしまうおそれもあります。いさぎよく向きを変え、別のルートを探してください。洪水による死亡事故のおよそ80%が、車に乗っているときの間違った判断によるものだということです。

洪水が突然車を襲って、逃げられなかった場合は、できるだけ早く車の外に出なければなりません。まだ車中にいる状態で水かさが増してきたときは、シートベルトをはずし、窓を開けてください。開かなければ、特殊な工具や足で窓を割り、車内に水が入ってこれるようにします。そうしないと、2000ポンド(900キロ)の水圧でドアが開けられなくなります。水が流入し、車の内外で水圧が等しくなれば(1分もかかりません)、ドアを開けるか、窓から泳いで出ることができます。脱出できたら車は放置し、上記のルールに従いながら、高台に移動してください。

洪水後の安全を保つ

雨が止んで、洪水がおさまっても、水が来ていた場所にはまだ危険が残っています。自治体が安全を認めるまで自宅には帰らないこと。また、地域のニュースをチェックして、水道水を飲んでも安全かどうかを確かめてください。洪水の後のたまり水には近づかないようにします。もちろん、流れている水からも遠ざかること。そうした水は、油、ガソリン、下水などで汚染されていたり、切れた電線などにより帯電している可能性があります。

家に帰るときは、洪水で損害を受けた場所がないか、常に注意を払うようにします。水で崩れやすくなった道路や橋など、車で通るには危険な場所があるはずです。もし自宅が浸水していたり、水に囲まれていたら、家の中には入らないように。あまりにも危険です。水が帯電していたり、建物が構造的に安全ではなくなっている可能性があります。ほとんど浸水していない場合でも、家の電気を使うときには細心の注意を払ってください。最後に、洪水で水に浸かったり、泥をかぶったものは、感染などの健康被害を避けるために、すべてきれいに洗浄し、消毒をしてください。

Patrick Allan(原文/訳:伊藤貴之)