7月6日、欧州議会は中国に対して「劉暁波を釈放せよ」という要求を出すことを決議した。それにより中国は欧米から専門医を招かざるを得ないところに追い込まれた。人権を重んじる民主主義的価値観、未だ死なず。

人権を重視して積極的に動いた欧州議会

7月4日付けのコラム「嘘だらけの劉暁波の病状に関する中共プロパガンダ」で「7月7日と8日にはドイツでG20首脳会議が始まる。どの国の首脳が習近平国家主席に『劉暁波に関する人権問題』に関して苦言を呈する勇気があるか。それは一種の踏み絵でもある」と最後に書いた。

この「踏み絵」がEU(欧州連合)の議会組織である「欧州議会」(フランスのストラスブール)で実現された。

その実現に向かって運動したのは、獄中のノーベル平和賞受賞者、劉暁波を応援する中国国内外にいる民主活動家たちだ。彼らは各国大使館などを通してアメリカ、フランス、ドイツなどの首脳に呼びかけ、劉暁波の釈放を求めていた。

特に、7月7日からドイツのハンブルグでG20首脳会議が開催されることに焦点を絞って、欧州議会「緑の党」などに呼びかけた。彼らは喜んで議会で劉暁波釈放に関する議案を提議し、発言を行なった。

たとえばドイツの欧州議会、緑の党元主席(Reinhard BUTIKOFER)は「中国は即刻、劉暁波を釈放し劉暁波とその妻・劉霞の自由を与え、劉暁波が自由に治療を受ける地を選べるようにすべきだ。非人道的な措置は許されない」と主張。

イギリスの議員(Margot PARKER)、ポーランドの議員(Anna Elzbieta FOTYGA)、デンマークの議員(Anders Primdahl VISTISEN)、ハンガリーの議員(aszlo TOKeS)およびフランスの議員(Sylviane H. AINARDI)なども発言した。その他、ギリシャ、ハンガリーやポーランドなど、十数名の議員が発言したという(スペリングは英文字以外は表記が困難なため、多少異なる)。

欧州議会の議員らは、劉暁波の即時釈放とともに、理由なしに逮捕されている台湾の李哲明の釈放も同時に求めている。

李哲明は台湾の民進党元職員で、現在は人権問題に関する活動をしているNGO(非政府組織)職員。今年3月29日に国家安全危害容疑により広東省で拘束された。中国の国家安全危害罪はスパイ行為とか国家分裂を画策する行為などを適用対象としているが、摘発の基準は不透明だ。当局が「疑義がある」と判定するかしないかだけで摘発するか否かが決められ、「いかなる基準で摘発するのか」という具体的な線引きは明らかにされていない。

遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)