<ベネズエラの反政府デモを扇動したとして刑務所に入れらた野党指導者ロペスが、「健康上の理由」で釈放され自宅軟禁に。だが、マドゥロ独裁政権がなぜ帰宅を許したのか誰にもわからない>

ベネズエラの野党指導者で、反政府デモを扇動したとして2014年から収監されていたレオポルド・ロペスが先週土曜、最高裁判所によって自宅軟禁に移された。

CNNによれば、ベネズエラの最高裁はツイッターで、「最高裁のマイケル・モレノ判事の権限で、健康上の問題を理由にレオポルド・ロペスを自宅軟禁の刑に処す」と発表した。

ロペスは3人が死亡、数十人が負傷した2014年の反政府デモを扇動したとして逮捕され、2015年に14年近い禁錮刑が確定していた。

ロペス(46)はアメリカの大学で学んだエコノミストで、野党「民衆の意思」党の指導者。野党勢力のなかには将来の大統領と期待する向きもあるが、与党・ベネズエラ統一社会党からは政権転覆を狙うエリート主義者として嫌われている、とロイターは報じる。

それでも政府が釈放を許したのは、国民に、政府は暴力より対話を求めていることを示すためだという。

最高裁の判断後、首都カラカス郊外の自宅に戻ったロペスの下には大勢の支持者が集まった。政府の軟化に驚いた人々は、ニコラス・マドゥロ大統領との間にどんな取引があったのか知りたがったと、とAP通信は報じた。自宅前で支援者にアピールしたロペスはいたって元気そうで、「健康上の理由」を疑問視する声も上がっている。

マドゥロが改心したかそれとも

現在スペインに亡命中のロペスの父親はAP通信に対し、「息子と電話で40分ほど話した。子どもたちを抱きしめ、妻も一緒にいると言っていた。きっと家族で祝っているはずだ」と語った。「先日息子は私に言ったばかりだった。夜が明ける直前はいつも真っ暗闇なのだと」

CNNによれば、今年の春先に収監中のロペスが衰弱したという噂が流れたが、5月にロペス本人が国営テレビの番組で「生存の証拠」と称したメッセージを発信し、健康不安説を否定していた。

ベネズエラはここ何年も経済危機に苦しんでおり、必需品や公共サービスが絶対的に不足する中、今年に入りマドゥロ退陣を求める反政府デモが続発するなど、マドゥロは重大な抵抗に直面している。ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)によれば、5月の時点でデモ参加者ら約60人が死亡し、少なくとも1000人が投獄された。

ロペスの自宅軟禁は、マドゥロ独裁政権が改心しつつある証拠か、それとも新たなはかりごとなのか。

(翻訳:河原里香)

グレッグ・プライス