犬の高脂血症とは

犬の高脂血症は、血液の中にある中性脂肪やコレステロールが増加し異常に高い値になった状態です。
食後、中性脂肪やコレステロールが増加しているのは正常ですが、12時間以上絶食をしても高脂血症になっている場合は何かしらの病気が隠れています。
通常、採血をして血液の遠心分離を行うと血漿は無色透明ですが、高脂血症になっている場合は血漿がミルクのように白く白濁しているケースもあります。

人間の高脂血症とは異なり犬の場合は心筋梗塞、動脈硬化、脳梗塞になる可能性は低いと考えられています。
しかし膵炎、糖尿病、甲状腺機能低下症などの他の病気を患い、その病気の影響で高脂血症になっているケースが多々あります。つまり高脂血症は氷山の一角であり、大元の病気の治療が必要になります。

犬の高脂血症の症状

食欲の低下下痢嘔吐発作

などが主に見られます。
高脂血症の原因になる疾患によって出る症状は異なります。膵炎の場合は腹部を痛がったり、糖尿病の場合は多飲多尿が見られたりなど疾患によって症状は様々です。
無症状の場合も多く、健康診断で採血してみたら高脂血症がたまたま見付かったというケースもあります。

犬が高脂血症になる原因

高脂血症の原因は主に3つあります。

原発性高脂血症

遺伝や原因不明の突発性で起きる高脂血症です。
「ミニチュアシュナウザー」は遺伝的に高脂血症になりやすいです。
また「シェルティ」などは突発性の高脂血症になりやすいです。

二次性高脂血症

他の病気になっており、その影響で高脂血症になっている場合があります。
例えば「糖尿病」「甲状腺機能低下症」「膵炎」「肝疾患」など様々あります。

生活習慣

生活習慣が悪く不摂生な生活のために高脂血症になる場合があります。
例えば「運動不足」「肥満」「質の悪い脂っこい食事や脂肪分の多いご飯やおやつの食べ過ぎ」などの原因が高脂血症の引き金になっています。

犬の高脂血症の治療法

高脂血症の原因によって治療法は異なります。

原発性高脂血症の治療

人間の高脂血症の場合は抗高脂血症薬を使うのが主流ですが、犬の場合はまず食事の改善を指導する動物病院が多いです。
食事は高繊維、低脂肪の療法食を与えます。
肥満の場合はダイエットを行い食事を療法食に切り替え、そして生活習慣の改善をし、それでも高脂血症の改善が見られない場合は投薬を考慮します。

二次性高脂血症の治療

「糖尿病」「甲状腺機能低下症」「膵炎」「肝疾患」「副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)」などの大元の病気の治療が必要になります。
必要であれば、療法食も利用することもあります。

犬の高脂血症の予防法

肥満は病気であり、様々な病気になるリスクがグンと高くなります。高脂血症もそのひとつで運動と食事に気を付ければリスクを減らすことが出来ます。特に高脂血症になりやすい犬種は体重管理、運動、食事に気を付ける必要があります。
運動は小型犬なら約20分、中〜大型犬なら約30分から1時間程度散歩に行くことが理想的です。
また高脂血症は無症状のことも多々ありますので、定期的に健康診断を受け早期発見に努めましょう。

犬の高脂血症にオススメの療法食

高脂血症と診断された場合、ほとんどの動物病院で推奨しているのはロイヤルカナンの「消化器サポート 低脂肪」です。
この療法食は高繊維、低脂肪で作られています。脂肪の制限と共に、血液中の脂肪の低下をする効果のあるEPA、DHA、食物繊維が豊富に含まれています。
こちらの療法食はドライフードと缶詰があります。
また肥満を伴う高脂血症の場合はロイヤルカナンの「満腹感サポート」「満腹感サポートスペシャル」やヒルズであれば「r/d」「w/d」を推奨する場合もあります。
高脂血症と診断された場合は、原因を調べてもらいそれに合う療法食を動物病院で処方してもらいましょう。

まとめ

人間だけでなく犬も高脂血症になります。高脂血症は遺伝や食生活も非常に関与しています。犬も人間同様に食生活や運動に気を付けることが何より大切です。そして体調が悪くなくても健康診断として定期的な血液検査を受け早期発見に努めましょう。


(獣医師監修:加藤桂子先生)