ホンダの新型N-BOX(写真: 本田技研工業の発表資料より)

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 70kgの追加の装備をしたうえでの80kgの軽量化は、N-BOXのクラスで立派なもの。技術的進歩は止まらない。

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■軽量化は燃費向上の基礎

 ホンダ・新型N-BOXはボディー、シャーシなど総合的に軽量化の努力を積み上げたようだ。100kg軽量化で1km/L向上すると言われる燃費だが、その実、軽量化は自動車の運動性能の向上には欠かせない、基礎的技術だ。しかし、現代の車は豪華な装備を必要としていて、ユーザーのニーズを満たすには、内装材でさえ豪華に仕上げねばならない。また防音も丁寧に防音材を施工することで向上する。

 ホンダ・新型N-BOXも全体で150kg軽量化したが、そのうち70kgを性能向上と装備品の充実に使ったそうだ。トータルで80kgの軽量化に成功したわけだが、燃費と共に運動性能では大きな貢献をしているはずだ。この性能向上については一般的ユーザーが気付くこともなく、安全性の向上などに繋がっているはずだ。

■軽量化のテクノロジー

 軽量化を進める技術として、構造的な前進もあることだが、現在ではかなり煮詰められて衝突安全性の向上などに貢献してきている。さらなる前進が続けられているが、現在で軽量化に大きく貢献できるのは材質の変更である。

 これまでのところ素材に鉄を主体に使っていくことは変わりないようだが、ハイテン(高張力鋼)の使用で、同じ強度を求めるのなら軽量で済むのだ。さらに強度のあまり求められない部分ではアルミが多用されるのだが、コストが高くなる。それは材料代と加工に手間がかかることでコストがかかるのだ。

 さらに期待されるのはカーボンで、技術的にはかなりのところまで確立されて来ていると言える。それはボーイング787の胴体の一部を丸くカーボンで造り上げ、それを丸ごと窯で焼き上げる技術が出来ている。B787は日本の加工技術だが、ドイツのBMWi8、BMWi3などではカーボンがかなり使われるようになってきた。

 量産車ではハイテンが主たる軽量化の材質だが、熱処理を下加工で必要になるものもあり、カーボンの普及がこれからの材質革命であろう。構造的にはコスト削減のための「共通部品化」の必要性があり、これから飛躍があり得る技術分野でもある。この分野ではトヨタ、マツダ、スバルなどが先行しており、日産、VWなどが追いかける展開だ。

 日産、ホンダなどのコスト削減の動きは感心せず、日本関係の企業としては心配されるところだ。その一方でEVなどでは日産が先行してトヨタが心配される状態で、世界の情勢からも激動期に入っているようだ。

■新しい基礎的進歩の方向性

 そのほかホンダ・新型N-BOXでは、従来の鉄の部品を樹脂で造ったり、考えられる限りの材質改善を行ってきているようだ。AIなどのように脚光を浴びている技術分野ではないが、この流れはこれからの車のテクノロジーとしては最先端を行くものとなろう。自動運転などが話題になり、ますます運動性能などはユーザーに振り向かれない技術となろうが、「動く車」との物理的な観点では不変な技術であり、目立たぬ基礎技術として、これからも操縦性能の向上はアンダーグラウンドで続いていく。