広島の森保一監督が突然の辞任を発表したかと思うと、神戸のネルシーニョ監督も去就が取り沙汰されました。さらに浦和のミハイロ・ペトロビッチ監督は連勝できなければ辞任すると発言したと報じられるなど、J1リーグはシーズンの半分を超えたところで監督の動向が注目されるようになってきました。

森保監督は、就任して去年までの5年間で3回リーグ優勝を成し遂げるという高成績を残しました。しかも主力選手が次々に移籍していく中で、戦力を整え、しっかりとした戦い方を確立しました。それなのにこういう形でチームを去らなくてはならないというのは無念だと思います。

そんな功労者をどう扱うかということについては、いろいろな意見があるでしょう。ですが、今回の辞任劇は監督もクラブも、「現時点」を厳しく見つめようということなのでしょう。それもプロの考え方としてはわかります。森保監督の高い能力はこれまでで十分証明されているので、すぐ次の活躍の場が見つかってほしいと思います。

その一方で、僕はどうしても腑に落ちない場面がありました。それはペトロビッチ監督がサポーターの前に出て行って釈明し、その場で去就に関する話をしてしまったことです。

僕は、監督が不満を持っているサポーターの前に出て行くということに違和感があります。

日本の文化として、サポーターの前に監督や選手が出ていって話をするという場面があるのはわかります。ただ、本当にそれがチームのためになるのか。監督や選手にだけ責任を押し付けているのではないか。そう思えるのです。

勝敗の責任を取らなければいけないのは監督でしょう。ですが、その監督を使ってチームの将来があるかどうか判断し、正しいと思えばそのまま指揮を執らせ、ダメだと思ったら交代させるのは、別の立場の人間です。

それに今回のことについても、急にペトロビッチ監督が辞めたとして、果たしてチームがよくなるのか。シーズン途中で、しかもまだACLの試合も残している段階で監督を交代させるほうがリスクは大きいのではないのでしょうか。

負けた後で、サポーターも監督、選手も興奮している中で会話して、何か生み出せるとは思いません。感情的な対立が本来の冷静な判断を失わせてしまうと思います。

サポーターもチームも、本当は同じ方向を向いているはずなのに、なぜか食い違ってしまっている。何がベストなのか。監督を代えるにしても、いろいろな状況を踏まえて考えるべきでしょう。