新加入のポドルスキとハーフナー・マイクは、どんな変化をチームにもたらすか。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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 前節の川崎戦を0-5で大敗し、リーグ3連敗で迎えた今節の仙台戦。チームに暗雲が立ち込めるなか、試合2日前の7月6日に元ドイツ代表のポドルスキが来日した。
 
 記念イベントには約1000人のファン・サポーターが足を運び、その後に行なわれた記者会見には多くの報道陣が詰めかけた。翌日には予定を変更して神戸の練習に合流。メディカルチェックを直前に控えていたため、超軽めのリラックスゲームへの参加だったものの、チームに明るい雰囲気をもたらした。
 
 もちろん、ポドルスキの来日だけが仙台戦に3-0で勝った要因ではない。むしろ最後のひと押し的な要素だが、仙台戦後に田中英雄はこんなコメントを残している。
 
「新加入選手たちが明るいニュースを届けてくれた。それをみんなが良い刺激にして、チームが良くなればいいなと思う」
 
 “良い風”という意味合いでは、早くもポドルスキ効果が出たのは間違いなさそうだ。
 仙台戦後のネルシーニョ監督の会見も興味深い。サマーブレイク中のチーム作りについて聞かれ、彼はこう答えている。
 
「今節も、実は怪我から戻ってきた選手がいたが、大事をとってこの試合を回避させた。そういった選手たちも大宮戦までにしっかりと万全にして、フルメンバーの準備をしたいと思います」
 
 この仙台戦ではCB岩波拓也が復帰した。指揮官のコメントから察すると、離脱中のボランチ藤田直之や高橋秀人、サイドバックの高橋峻希、橋本和、サイドハーフ大森晃太郎の復帰も間近。彼ら主力が戻ってくる上に、元日本代表FWのハーフナー・マイクも合流する。
 
 しかも、仙台戦を見る限り、小川慶治朗や三原雅俊らがコンディションをさらに上げている。7月29日の大宮戦までの約3週間は、かなり激しいレギュラー争いが展開されそうだ。
 
 そのなかで、ポドルスキが入った時の布陣がどうなるかを少し考えてみたい。
 
 今節の仙台戦では従来通りの4-4-2で挑んだ。仙台は3-4-2-1の可変システム。攻撃時に両ワイドが積極的にオフェンスに参加し、極端に言えばセンターバック3人以外の7人が攻撃に加わる。
 それに対応するため、神戸はボランチの三原を右サイドハーフに起用した。過去にも試しているが、守備の場面では三原がサイドバックの位置まで下がってワイドの選手をマーク。同時にDFが左へスライドして5バックを形成する。

 その上で、運動量のある小川や渡邉千真、大槻周平が相手センターバック3枚にプレスをかけ、ビルドアップのリズムを狂わせながら、ボランチの田中英雄やニウトンが高い位置でボールを奪う。そしてショートカウンターで仕留める。ざっくり言うとそんなイメージのシステムを神戸は敷いた。
 
 浦和や広島との対戦の際も同じベクトルで神戸は戦う。相手が変われば戦い方も変わってくるが、守備でリズムを作る神戸のスタイルではファーストディフェンダーとなる2トップの守備がひとつのポイントになるのは同じ。つまり、ポドルスキやハーフナー・マイクがどこまで守備で貢献するのかが気になるところだ。
 
 仙台戦では前線の大槻が足をつるほどハードワークを続けて良い働きをしていたが、その役目をポドルスキにどこまで求めるのか。ハーフナー・マイクとの2トップはJ1トップレベルの破壊力を誇るだろう。だが、全体のピッチバランスを考えた場合にはどうか……。
 
 頭脳派の松下佳貴は仙台戦の後、ポドルスキについて慎重な意見を述べている。
 
「まだ彼がどんなプレーをするかはわからない。チーム戦術と個性を擦り合わせていく必要はあると思う」
 
 今あるチームの枠組みに“世界基準”をはめ込むのか、あるいはスーパースターを軸に再構築するのか。サマーブレイク明けの大宮戦まで約3週間、充分な時間があるように見えるが、実はあまり余裕はないのかもしれない。
 
取材・文:白井邦彦(フリーライター)