右が新種「リュウキュウサネカズラ」の雄花(撮影 当真嗣尊)、左は近縁種である「サネカズラ」の雄花(撮影 森小夜子) 。(写真:神戸大学発表資料より)

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 神戸大学などの国際研究グループは、琉球列島において発見された木本植物(木)について、これまで確認されていなかった独自の種であることを明らかにし、「リュウキュウサネカズラ」の和名を与えた。

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 当該の植物は、実は1917年にも台湾で発見された例があるという。だが、100年前のこととて正確な科学的報告が行われなかったため、既知の種である「サネカズラ」と同一の種と判断されていた。しかし今回、100年ぶりに個体が発見され、新種であったことが分かったのである。

 日本列島は植物相に関する研究が進んでいるため、新種の植物が発見されることは少ない。特に、新種の木本植物の発見となると、極めて稀なことであるという。ちなみに、発見場所は沖縄本島の「やんばるの森」と呼ばれる一帯で、昨年「やんばる国立公園」に指定されている。

 サネカズラはマツブサ科サネカズラ属の常緑つる性木本であり、昔、つるから取った粘液を整髪料に用いたことから、美男葛(ビナンカズラ)という異称でも知られる。

 また、サネカズラは小倉百人一首に収録されている和歌の中にも登場する。

 「名にし負はば逢坂山のさねかずら 人に知られで来るよしもがな」。三条右大臣・藤原定方の作である。

 さて、今回発見されたリュウキュウサネカズラは、サネカズラによく似ているのだが、雄花の花形態に違いがあった。そこでさらなる調査を進めたところ、同じ特徴を持った植物の発見例が、1917年、Kadsura matsudaeの名で報告されているのが見つかった。しかし、Kadsura matsudaeは報告の内容が短く不明瞭で、暫定的にサネカズラとみなされ、そのまま100年間、学術的な発見例がなかったのだという。

 なお、研究の詳細は国際誌「Phytotaxa」にオンライン掲載されている。