北朝鮮に暮らす華僑の数は、丹東市政府関係者によると5400人。かつては比較的恵まれた暮らしをしていたが、最近の状況は異なる。北朝鮮当局は華僑を、国内情報を海外に持ち出し、海外情報を国内に持ち込む好ましからざる存在と見て締め付けを強めている。

そのため、息苦しい北朝鮮を見限って豊かで「自由な」中国に移住する人が増えている。しかし、両親のうちどちらかが北朝鮮国籍の場合、子どもは北朝鮮国籍を取らされ、移住はおろか出国すら容易でない状況だった。それが変わりつつあると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平壌在住の華僑情報筋は、父母の一方が北朝鮮国籍だったため、今までずっと北朝鮮国民として暮らしてきた。

中国国籍を取得しようにも1万ドル(約112万円)以上の費用(ワイロ)がかかる上に、かなり待たされるため諦めていた。

ところが、最近になって費用が安くなったおかげで、中国国籍の取得に成功したという。

中国国籍取得の流れは次のようなものだ。

まず北朝鮮国籍を抹消しなければならない。この手続きには、平壌では2500ドル(約28万円)、地方なら2000ドル(約22万5000円)のワイロが必要だ。

続いて除籍証明書を中国大使館に提出し、国籍取得を申請する。国籍取得手続きが終わりパスポートが発行されても、すべきことが残っている。

今度は地域の保衛局(秘密警察)に行って外国人登録証を受け取らなければならないが、このワイロが500ドル(約5万5000円)だ。

つまり、以前の3分の1以下の3000ドル(約33万7000円)で中国国籍が取得できるようになったわけだ。

しかし、北朝鮮において3000ドルは大金だ。

甥の中国国籍取得を手伝ったという別の華僑情報筋は、在北朝鮮華僑にとって3000ドルを調達するのは容易ではなく、中国の親戚からの援助が欠かせないという。

その親戚にとっても、3000ドルはかなりの大金だ。

中国に行けば、北朝鮮のように理不尽な理由で当局に財産や命を奪われたりするリスクは大幅に下がるが、3000ドルを調達できず、北朝鮮国籍のままで暮らす華僑が少なくないという。地獄の沙汰も金次第というわけだ。

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