女性が男性と同等に活躍できる社会にしない限り、結婚生活で夫を縛り、金ヅルにする妻が絶滅することはありません(写真はイメージです)

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夫を金ヅルにし、吸い尽くす妻ーー。そして、そんな妻のやりたい放題にひたすら耐えている日本人男性は数多い。こんな横暴がまかり通る背景には、根深い社会構造の問題がある。(東京大学東洋文化研究所教授 安冨 歩)

別居15年でも離婚できず!
日本の男が被る逆差別

 不倫に厳しいと言われる日本社会。ひとたび芸能人の不倫が暴かれれば、徹底的に叩かれ、しばらく仕事を干されることも珍しくありません。

 ダイヤモンドオンラインに先日、「夫の不倫別居で家庭崩壊、15年来の愛人の職場で妻が怒りの鉄槌」という記事が載っていました。不倫相手にそそのかされて夫が家出したのですが、なんと家出後、15年経っても、まだ離婚をしておらず、妻が愛人を懲らしめ、慰謝料を勝ち取るという話です。

 明らかに愛情がなくなって15年も別居しているのに、まだ離婚をしていないということに、私は心底驚きました。不倫を手放しで容認しようというつもりはありませんが、さりとて、信頼関係や尊敬の念がなくなったのに、夫婦でいることを強要されるのは異常と言うほかありません。

 日本社会は、愛情がなくなっても離婚をすることが難しいようにできています。それは、個々人の問題というよりは、社会構造に潜んでいる根深い問題が原因だと、私は考えています。

 この記事の夫婦が離婚しない理由は何か?それは、「カネ」という1点に集約されるはずです。文中でも、夫から月々振り込まれる生活費が減ると困るから、「夫の機嫌を損ないたくない」と妻が語るくだりがあります。記事によれば2人の子どもたちは成人していますから、離婚をすれば生活費はもらえません。

 大阪大学の深尾葉子先生は、その名著『日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体』(講談社+α新書)のなかで、夫を愛することなくしがみついて搾取する妻を「タガメ女」と名付けました。水生昆虫のタガメは、エサとなるカエルやメダカをガッチリ捕まえると、鋭いくちばしを刺して消化液を注入し、その身体を生きたまま溶かして吸い取ります。このタガメ女に吸い尽くされる男は「カエル男」です。

 ただし、女性が悪いという単純な話ではありません。多くの日本女性にとって、夫を手放すことは即、生活苦につながります。この現象は、戦後日本が形式的な男女平等を標榜しながら、現実には女性に社会的活躍の場を与えないままでいることの表現にほかなりません。多くの日本人男性は、「男女同権」の名の下に日々、社会的には女性を排除しつつ、家庭内では体液を吸い尽くされているのです。

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