ローマ水飲み場が給水停止に(画像は『Hubu.de 2017年7月6日付「Die berühmten Brunnen werden trockengelegt」』のスクリーンショット)

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ヨーロッパを襲う猛暑は年々厳しさを増し、各地で異常気象を引き起こすなど大きな問題となっている。今年もそれは例外でなく、特に地中海沿岸の国々において深刻な影響が出始めているようだ。そうした中、イタリアの首都ローマでは猛暑による水不足のため、市内約2800か所に設置されている無料の水飲み場への給水を停止することが公表された。

ローマを旅行された方ならば、水が途切れることなく流れ出る、栓のない水道のような水飲み場が市内に点在しているのを目にしたことがあるのではないだろうか。

その形から、ローマ市民からは大きな鼻を意味する「ナゾーネ(Nasone)」の愛称で親しまれているこの水飲み場。その歴史は古く、1874年に市民へ清潔な水を提供しようと当時の市長ルイージ・ビアンチャーニ氏によって設置が先導されたことから「市長の水(L’acqua del sindaco)」とも呼ばれている。

市内約2800か所に設置されたナゾーネの多くには、ラテン語で「元老院とローマの市民」を意味する略語「SPQR(Senatus Populus Que Romanus)」と刻印されており、良質な水を市民や観光客に提供している。

今回の措置は、ローマの主要な水源の一つであるブラッチャーノ湖の大幅な水位低下を受け決議されたものであるが、ローマのシンボルの一つと言っても過言ではないナゾーネから水が出なくなることに対し、ローマ市民は批判的な姿勢を見せている。

イタリアの消費者保護団体「Codacons」のカルロ・リエンツィ会長は、「給水管からの漏れにより無駄になる水は全体の約50パーセントを占める一方、ナゾーネの水はわずか1パーセント程度を占めるに過ぎない」と話す。また、この措置によりミネラルウォーターの購入者急増が価格の急騰を引き起こすことを懸念しており、「今回のことで得する者は誰もいない」と批判している。

だが、水不足に喘いでいるのはローマだけではない。ローマよりも北に位置するパルマやピアチェンツァはさらに深刻で、洗車の禁止、洗濯機や食器洗浄機は中が一杯になってから使うことなどが市から言い渡されており、花に水をやることすらタブーであるという。こうした状況に比べると、水不足がそこまで差し迫っていないローマは「まだマシだ」との声もあがっている。

画像は『Hubu.de 2017年7月6日付「Die berühmten Brunnen werden trockengelegt」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)