しっかり検診を受けよう

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乳がんは日本人女性の12人に1人がかかるがんで、最近若い世代に増えている。40〜64歳までの年代では、がんの死亡率の1位だ(2014年データ、国立がん研究センター調べ)。

乳がんを発症すると、もう片方の乳房にも新しいがんができる人がいるが、乳腺が高濃度の乳房をもつ女性は、反対側の乳房にもがんを発症しやすいことを米テキサス大学のチームが突きとめた。日本人女性の乳房の半数以上が高濃度タイプといわれており、検診には念には念を入れたい。

検診でも見つかりにくいうえ...

乳房は、脂肪組織と乳腺組織からなり、乳腺の密集度によって、(1)脂肪性(2)乳腺散在(3)不均一高濃度(4)高濃度の4つのタイプに分けられる。このうち、(3)と(4)が乳腺密度の高い「デンスブレスト」(高濃度乳房)と呼ばれ、日本人女性の半数以上がこのタイプにあたる。

乳がんの早期発見のカギを握るのが検診だが、国が40歳以上の女性にすすめる乳房エックス線撮影(マンモグラフィー)だけでは、「高濃度乳房」の女性は異常を見つけにくい。乳腺の密度が濃いと画面では全体が白く写り、がんなどのしこりも白く写るため判別しづらいからだ。このため、医療機関では超音波検査との併用を勧めるところが増えている。

米テキサス大学のチームは、がん専門誌「Cancer」(電子版)の2017年6月1日号に論文を発表した。論文要旨によると、もともと高濃度乳房の女性は、乳腺密度が低い女性に比べ、乳がんの発症リスクが高いことが知られている。また、乳がんになった人の約10〜20%の人が反対側の乳房にもがんができる「対側乳がん」を発症する。そこで、研究チームは、高濃度乳房の女性は「対側乳がん」の発症リスクが高くなるのではないか、という仮説を立てた。

この仮説を調べるために、初めてステージ1〜3の乳がんと診断された女性を対象に、乳腺濃度と「対側乳がん」の発症リスクとの関連を調べた。女性たちのうち229人が「対側乳がん」を発症した。4種類の乳房のタイプのうち、「脂肪性」と「乳腺散在」を低濃度型、「不均一高濃度」と「高濃度」を高濃度型と分け、「対側乳がん」の発症リスクを分析すると、高濃度型の患者の発症リスクは、低濃度型に比べ、約1.8倍高かった。

研究チームは論文要旨の中で「乳がんは、早期に発見できれば、治すことができるがんです。乳腺濃度が高い女性は、まず乳がんそのものの発症リスクが高いこと、そしてもう1つの乳房にもなりやすいことを十分意識して、定期的な健診を続けることを心がけてください」と注意を呼びかけている。