偽造半導体の密輸はびこる(画像は『SPIEGEL ONLINE 2017年7月3日付「Gefährliche TechnikZoll beschlagnahmt eine Million gefälschte Halbleiter」(DPA)』のスクリーンショット)

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麻薬や武器、動物、そして酒類など各国の税関では日々ありとあらゆる密輸品や偽造品が検挙されているが、最近大きな問題となりつつあるのが偽造半導体密輸である。「欧州不正対策局(OLAF)」は欧州の税関にて偽造半導体の取り締まりを強化し、2週間で100万点以上の偽造品を押収したことを明らかにした。『SPIEGEL ONLINE』などが伝えている。

「欧州半導体産業協会(ESIA)」によると、2週間にわたる捜査は欧州12か国の税関で行われ、中国及び香港から国際郵便や宅配便などによって輸入された偽造半導体を対象とした。ダイオードやLED、トランジスタ、集積回路などが押収されたという。

OLAFは、「押収された偽造品は100万点以上に上った。偽造半導体の流通拡大によって受ける経済的損失もさることながら、これらが電子製品に組み込まれてしまうことでコンピュータシステムの故障、民間や軍用セキュリティーシステムの誤作動につながることがある。また今回の押収品の中にはトラックや飛行機、外科用手術機器の部品として使用されるものも含まれており、これらの誤作動が生じた場合は人の命に関わるであろう」と述べている。

経済的打撃を与えるだけでなく、命をも脅かす偽造半導体。欧州各国の協力が必要なのは言うまでもないが、更なる取り締まりの強化が急がれている。

画像は『SPIEGEL ONLINE 2017年7月3日付「Gefährliche TechnikZoll beschlagnahmt eine Million gefälschte Halbleiter」(DPA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)