映画『ワンダーウーマン』(日本公開は8月25日(金))の勢いが止まりません。すでにこの原稿を書いている段階で全米興行収入は3億5600万ドルを超えています。これは「バットマンVSスーパーマン:ジャスティスの誕生」の3億3000万ドル強、「スーサイド・スクワッド」の3億2500万ドル強を超えて、DCエクステンディッドユニバース(DC映画における“のマーベル・シネマティック・ユニバース)史上最高となりました。

この勢いで11月23日日本公開の「ジャスティス・リーグ」に弾みをつけてほしいものですね。この『ワンダーウーマン』はパティ・ジェンキンスという女性監督が作った女性ヒーロー映画ということでも注目されており、女性監督映画としても史上最高のヒット作となりました。グローバルで7億2000万ドル突破してしていますが、女性監督作品で最もグローバルで成功したのはフィリダ・ロイド監督の「マンマ・ミーア!」(08)の6億900万ドル強だったと思うのでこれも抜きました。

『ワンダーウーマン』の成功は、女性スーパーヒーロー映画(アメコミでは、スーパーヒロインと言わず、スーパーヒーローウーマン。スーパーヒーローガールと言ったりします)の制作が加速しそうです。もちろん『ワンダーウーマン』以前から女性ヒーロー映画の企画はいくつか挙がっていますが、市場も観客の期待もどんどん上がっていきます。
マーベルでは18年にエヴァンジェリン・リリー出演の「アントマン&ワスプ」、19年にブリー・ラーソン出演の「キャプテン・マーベル」が公開。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)初の女性ヒーローソロ映画(TVでは先例があるので、映画という意味で)の1作目は「キャプテン・マーベル」ですが、タイトルに名前が盛り込まれているという意味で「アントマン&ワスプ」も女性ヒーローが主役の映画。ワスプはアントマンの相棒で、蜂女、キャプテン・マーベルは空飛ぶ怪力女性。
MCU映画ののプロデューサーで、マーベル・スタジオの社長ケヴィン・ファイギはライバルともいえるDCの『ワンダーウーマン』の成功に祝辞を贈っており、「女性ヒーロー映画が受け入れられるということはマーベルにとっても大変いいことだ」と述べました。なお「キャプテン・マーベル」には、サミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーも登場することが発表されました。一方、ソニー・ピクチャーズもスパイダーマンのコミックスに登場する女傭兵シルバー・セーブルと女怪盗ブラック・キャットを主人公にした「シルバー&ブラック」を製作すると発表しました。

DCは『ワンダーウーマン』の続編、マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインが主役でそこにキャットウーマン、ポイズン・アイビー(植物の力を持つセクシーヴィラン)ら、バットマン系の美悪女が登場する「ゴッサム・シティ・サイレンズ(セイレーンズ)」。そして、ジョス・ウェドン監督の「バットガール」、さらにスーパーマン映画の第2弾「マン・オブ・スティール」続編にスーパーガール登場の噂もあります。面白いのはいくつかの女性ヒーロー映画の監督に女性監督が起用されていることで「キャプテン・マーベル」はアンナ・ボーデン(男性のライアン・フレックと共同監督)、「シルバー&ブラック」はジーナ・プリンス=バイスウッド(「リリィ、はちみつ色の秘密」です。これも『ワンダーウーマン』効果と言えるでしょう)です。

1941年にコミックに登場した、ワンダーウーマンは女性がアメコミに目を向けるきっかけとなったとされ、またポップカルチャーにおける、代表的な女性のアイコンの1つになりました。映画『ワンダーウーマン』も同じことをやってのけたのですね!素敵です!

文/杉山すぴ豊

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