スピードに優れる永井(15番)には「少しスペースをとって」など、相手の特性を見て守備の仕方を柔軟に変えられるのが昌子(3番)の強みだ。(C)SOCCER DIGEST

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[J1リーグ18節]FC東京 2-2 鹿島/7月8日/味スタ
 
 前半の早い時間帯だった。スローインを受けたFC東京の郄萩がダイレクトで浮き球の縦パスを供給すると、タッチライン際で永井が反応。守る鹿島側は昌子が対応する。
 
 コーナーフラッグに向かって転がるボールを、永井と昌子が追いかける。最初は昌子のほうがボールに近い位置にいたが、最終的には永井が追い抜いてキープし、中に折り返した。
 
 スピードでは永井に分があるのは間違いないが、それにしても、昌子の対応はやや緩慢な印象を受けた。少なくとも、必死に走っているようには見えない――この場面について、鹿島の背番号3は次にように振り返る。
 
「僕のほうが先にスタートを切っていても、たぶん、負けるだろうなと。だから、あっさり譲って、その後で対応しようと思っていた。そういう意味では、冷静にできたはず。永井くんに走りで勝つのは、僕では無理なので」
 
 相手の特性を見て守備の仕方を柔軟に変えられるのが、昌子の強みだ。スピードに優れる永井には「少しスペースをとって」、また強靭なフィジカルを備えるP・ウタカには「パワーで勝つのは厳しいから、トラップした後を狙うとか」という具合だ。
 
 このふたりには決定的な仕事をさせなかったが、橋本に2ゴールを許し、試合は2-2のドロー決着。連戦のなかでも質の高いパフォーマンスを見せていた昌子だが、「絶対的な存在感と言われると、欠けている部分があると思う。そこを身に付けていきたい」とさらなる成長を誓った。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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