ドイツ・ハンブルクで主要20か国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせて開かれた催しに出席した米国のドナルド・トランプ大統領(左)とドイツのアンゲラ・メルケル首相(右、2017年7月8日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】(更新)ドイツ北部ハンブルグ(Hamburg)で開催されていた主要20か国・地域(G20)首脳会議(サミット)は8日、首脳宣言を発表して閉幕した。首脳宣言では、主要国のもろい団結の維持と引き換えに、貿易や気候変動防止に関する文言にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に譲歩する表現が見られた。

 これまでのG20首脳宣言は、テロ対策や経済政策などさまざまな問題で参加国の合意事項を打ち出すのが通例だったが、今回は主要問題での姿勢の違いを説明するという異例の内容となった。

 今年の首脳宣言は、2015年に採択されたパリ協定(Paris Agreement)から米国が離脱するというトランプ氏の決断の他、米国が今後も地球温暖化の主な原因とされる化石燃料の使用と販売を続行する方針であることについて言及している。

 首脳宣言はまた、各国が自国の市場を保護するための「合法的な貿易保護措置」を実施する権利についても初めて言及した。これは実質的に、保護主義的な「アメリカ第一」政策を推し進める余地をトランプ氏に与えるものだ。

■「後退を防ぐため」の首脳宣言

 今年のG20開催国、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、「(参加国の)意見が一致しない部分に関しては、首脳宣言で意見の不一致について説明がなされている」と述べた。ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領はメルケル首相に対し、最も困難な問題となった気候温暖化対策で「最善の譲歩策」を見つけたと賛辞を送った。

 フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領もG20の譲歩の姿勢を称賛した。同大統領は、首脳宣言は全体を通して気候変動対策で後退を避けつつ「必要不可欠なバランス」を見出したと称賛した。

 しかし、今回が初めてのG20参加となったマクロン大統領は、地球温暖化に関するトランプ大統領の意見を変えることを諦めていないと語り、今後もトランプ大統領の説得に取り組む意向を示した。

 一方、シンクタンク「国際ガバナンス・イノベーション・センター(Centre for International Governance Innovation)」のトーマス・バーンズ(Thomas Bernes)氏は、今回のG20首脳宣言を「見せかけ」と表現した。

 バーンズ氏は、「2009年にロンドン(London)で行われた(G20)首脳会議と比較すると、今回の結果は後退だ。経済危機を防ぐための反保護主義政策という明白なシグナルが曖昧なものになる」と述べ、今回の首脳宣言は、「前に進むため」のものだった従来の宣言とはまったく異なり、「後退を防ぐため」のものになっていると指摘した。
【翻訳編集】AFPBB News