【キャッチボールに集中する参加選手=愛知県常滑市の大曽公園野球場】

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 常滑(とこなめ)と聞いて愛知県常滑市沖の中部国際空港(セントレア)を思う浮かべる人は東海地域の地理に明るい人だろう。

 ただその中部国際空港の場所選定をめぐって、同じ伊勢湾内でも、より名古屋に近い三重県長島沖との間で、激しい争奪戦が繰り広げられていたことはあまり知られていない。当時を知る新聞記者が、常滑案を進める愛知県知事(当時)が三重県議会議員の説得に当たるという“掟破り”の行動をおもしろおかしく書いたことを思い出す。

 空港争奪戦に敗れた三重県側はそれでも中部国際空港の開港に合わせて、県内の四日市、津、松阪の3市から、同空港までの直通海上航路を3つ設けて“敗戦”の挽回を図ったが、結局採算割れで今も残る航路は津市のみ。場所選定の争奪戦が残した“傷跡”の一つといえるだろう。

 同じ常滑で行われた争奪戦といっても6月17日、常滑市の大曽公園野球場で開かれた「キャッチボールクラシック2017ポップアスリートカップ東海大会」(日本プロ野球選手会主催、エイブル、トンボ学生服、パテックスなど協賛)は、地方政治家の掟破りの空港争奪戦とは対照的な、全国大会の出場権を奪い合う正々堂々とした闘いだ。

 32チーム320人の野球少年らが参加。2分間でこなしたキャッチボールの回数を競った。

 激戦の末、優勝は112回を記録した名古屋平針HBC少年野球クラブ。準優勝は108回のチームダイナマイツだ。この上位2チームが全国大会に出場する。敗戦の“傷跡”でなく、全国大会では輝かしい活躍の“痕跡”を残してほしい。