しばしば、思い出や記憶などの言葉とともに用いられる「セピア色」。遠い過去を思い起こす時のカラーとして定着していますが、そもそもはどのような色で、その由来や歴史はいかなるものでしょうか。

 オトナンサー編集部では、カラー&イメージコンサルタントの花岡ふみよさんに聞きました。

「イカ墨」を意味する英語

 まず「セピア(sepia)」は英語で「イカ墨」を指す言葉です。イカの一種である「コウイカ」を意味する古代ギリシャ語が語源とされ、イカ墨の色に由来する、黒くて赤みのある黒褐色を表します。

「地中海沿岸では古くから、耐水性のあるイカ墨がインクや染料として使われていました。近世に、イカ墨をアルカリで溶かした後に塩酸を使って沈殿させた顔料が西洋に広まり、やがて、その顔料の色を指す言葉として『セピア』が定着したのです」(花岡さん)

 その後、19世紀末頃から、新聞や雑誌などの印刷にセピアのインクが使われるようになりました。初期のモノクロ写真が現像され始めたのもこの頃で、日光の紫外線などによって退色したインクの色みもセピアと呼ばれるように。「セピア調」という言葉は経年劣化した写真の色が由来です。

 なお、セピアをインテリアに取り入れるとアンティーク調の雰囲気が生まれ、レトロな空間の演出が可能です。「セピアは『古い感じ』や『懐かしさ』をイメージさせる色。また、茶色は安定を象徴する意味があるため落ち着きと安心感を与えられます」。

(オトナンサー編集部)