欅坂46が発表をした『エキセントリック』のMV。学校を舞台とした世界観の映像なのだが、近年稀に見る最高傑作だと、SNSを中心に話題を集めている。早くもYOUTUBEでは再生回数が150万を超える人気となっている。

欅坂46は、デビューシングルである『サイレントマジョリティー』にて鮮烈なデビューをし、そのMVは現在6千万以上の再生数となる社会現象を起こした。アイドルのデビューシングルとは思えない、実験的かつ映像美を見せるMVとなり中毒者続出となっている。

振付師のTAKAHIRO(上野隆博)が演出するダンスは、独創的ながら視覚的にわかりやすく、欅坂46の世界観とマッチした。平手友梨奈を中心としたダンスは、アイドルファンだけでなく世間的にもインパクトを与え人気を高めていった。

その後も、シングル楽曲を中心にMVでは実験的なものを次々と発表し、『不協和音』ではアイドルファンの間で賛否両論を巻き起こす攻撃的な世界観も作り出した。

そして記念すべき1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』のTYPE-Bに収録される『エキセントリック』は、『サイレントマジョリティー』『世界には愛しかない』のMusic Videoを手掛けた池田一真氏が担当。振付のTAKAHIRO氏とのコンビネーションは抜群。

学校という、アイドルのMVにありがちなシチュエーションの中で、いままでに見たことのないような少女たちの姿を見せつけられる。ダンスは独創的ながら的確に今作の歌詞の世界観をとらえ、つい真似したくなるような振り付けも見られる。

ストーリーに重きを置いた乃木坂46とも、王道のアイドル路線が多いAKB48グループとも違う、まさに欅坂46にしか出せない「世界観」を『エキセントリック』で更に推し進めている。アイドルのMVということを考えれば、制作陣が見せたい作品としてのエゴとファンが見たい映像のギリギリの線上に位置するような奇跡の作品だと思われる。だからこそ、何度でも見たくなってしまう中毒性の高いMVとなっているのだろう。

また、秋元康氏の作り出した歌詞、そして現在休養中のメンバーである今泉佑唯を思わせるような髪型やシルエットなど、ファンの想像力を掻き立てるようなギミックも見受けられ話題性を加速させている。

何よりも、『サイレントマジョリティー』から続く絶対的センターの平手友梨奈が、よりストイックに世界観を演じきっているところに、鳥肌が立つような感動すら覚える。ただ『エキセントリック』では、平手の存在感は増しながらも(歩道をこちらに向かって歩いてくるシーンは衝撃的)、各メンバーの強さがしっかりと出たように思える。極論を言えば「欅坂46=平手」だったこれまでのイメージをガラリと変えそうな作品となりそうだ。何度も見る度に印象は変わり、目を奪われるメンバーも変わる。まさに、捨てのシーンが全くないとんでもない作品に仕上がっている。

『エキセントリック』はアイドルの枠を超えて今年度…いやここ数年でも最高傑作のMVだと言っても過言ではないだろう。この衝撃の作品がアイドルである欅坂46から生まれたことは大きな意味を持つ。

今年も、日本の音楽はアイドルが引っ張っていくことになりそうだ。(編集部/高橋学)