Qolyとユーザーで選ぶJ1前半戦ベストイレブン 〜GK&DF部門〜

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2017シーズンのJも第17節が終了した。つまり、今季の上半期が終わったというわけだ。

「はたして、今季の上半期でベストイレブンを選ぶとしたらどういう顔ぶれになるだろう…」

筆者は開幕から二ヶ月後に少し気が早いベストイレブンを独断で選出させて頂いたが、今回は、Qolyユーザーの方々の協力も得つつ、上半期のベストイレブンを改めて選んでみることにした。Qoly編集部Tさんとの対談形式でお楽しみ頂きたい。

編集部T(以下――):さて、早速GKから選んでいこうと思います。Twitterでのアンケート結果では中村航輔が断トツの一位でした。

カレン(以下、省略):なるほど。これは予想通りというか、あれほどのインパクトを与えたら当然でしょう。正直、シーズン序盤はチーム全体が不安定なところもあり、パフォーマンスも決して良かったわけではないですが、チームと共に尻上がりに調子を上げましたね。

――中村については、これまでカレンさんも度々取上げていますね。

はい。2015シーズンにレンタル移籍で加入したアビスパ福岡の時に気になり出して、今に至ります(笑)その実力もさることながら、何よりもあの堂々たる姿に惚れますね。

ゴールキーパーというポジションは「止めてやる!」っていうオーラをいかに出せるかが重要だと思っているんですが、その観点で言えば、既にJリーグでナンバーワンではないでしょうか。

――他に気になった選手はいますか?

今回の投票にも登場した、東口、カミンスキーは触れなくてはならないところですね。

東口については、勝手ながら少し闘争心の面であったり、チームが落ち気味の時に引き上げる力には欠けるかな…という印象もあったのですが、その不安は完全になくなりました。ワンプレーに賭ける想いであったり、リーダーシップであったり、今季は頼もしさが飛躍的に増した印象です。

そして、カミンスキーですが、純粋にゴールキーパーとしての能力はJリーグで図抜けていますね。

彼の出身国であるポーランドは、ヤン・トマシェフスキ、ユゼフ・ムウィナルチク、イェルジー・ドゥデク、ヴォイツェフ・シュチェスニのような名守護神を産出してきた「GK大国」として有名ですが、「やっぱり、そうなんだ」と再認識させられました。

とりわけ、「1vs1の場面で見せる冷静さ」、「シュートに備える予備動作のスキのなさ」は、毎度のことながら感嘆させられます。

――票は中村航輔に集まったものの…といった感想でしょうか?

チームの成績であったり、彼のプレースタイルを考えると、票が集まりやすいのは当然でしょうが、二人の活躍も特筆すべきものだと思いますよ。

後は、横浜FMの飯倉大樹、C大阪のキム・ジンヒョンらが次点候補。後は良くない試合もありましたが、FC東京の林彰洋も挙げたいですね。チームの成績以上の活躍だったかと。

――最初に上がった二選手については、ユーザーの方からも意見が上がっていました。

ファンとしての贔屓目もあるかもしれませんが、チームの上位進出を考えても当然だと思います。

――続いて、センターバックに移ります。Twitterでのアンケートも競りました。

あれ…ジュビロ磐田の大井とかは入らなかったんですか?

――どうしてもTwitterの特性上、選択肢が限られていて…。

なるほど。苦しんだわけですね(笑)というか、このポジションはそもそも選考するだけで難しいですよね。個人的には、ガンバと柏のセンターバックコンビも取上げたいところです。

――その四人は、個人的に推している選手ですよね?

です。特にガンバの三浦弦太は。というか、もう日本代表にも入ってしまったので「推している」という言うのも恥ずかしい感じになりましたが…。

彼は日本人センターバックにはあまり見られない能力を持っていますからね。常に攻撃的なパスを選択できる意識、相手選手との駆け引きの巧さは、本当に才能を感じさせます。身体能力も高いですし、今後どのような選手になるか楽しみです。

ガンバは3バックになったり、4バックになったり、少し慌しい前半戦を過ごしましたが、いかなる時でも彼とファビオのパフォーマンスは傑出していた印象ですね。

――そして、柏の若いセンターバック二人も。

そうですね。中谷進之助、中山雄太の二人は各々に特長があって、見ていても楽しいです。個人的にも、リーダータイプのセンターバック、ロングフィードや攻撃センスを持っているセンターバックは好きなので。もちろん、今季のプレー面も評価に値します。正直、まだプレーに粗さがあるので、それは今後の課題ですが…。

いずれにせよ、彼らと中村航輔、そして、ボランチの大谷がセンターラインをしっかり守り続けたことが、柏の今季の飛躍の原動力になったことは間違いありません。

――先ほど、大井健太郎の名前も上げましたが。

はい。今季の大井は、その評価をさらに上昇させた一人ですよね。昨季、名波監督はMVPに上げていたようですが、引き続き、好調を維持しています。

若い頃は身体能力任せな印象もありましたが、今やクレバーさやキャプテンシーも備え、トータルバランスに秀でた選手となりました。そして、何よりもシュートブロックや危険地帯を読む力が凄まじいです。もし彼がいなければ、カミンスキーがさらに目立っていたはず(笑)

――なるほど。アンケートで一位になった中澤祐二、二位のヨニッチについては?

中澤は偉大な記録(フィールドプレーヤーとして140試合連続出場達成)を達成して話題になりましたが、充実のシーズンを送っています。

目立ったミスが全くなかったですし、狡猾さであったり、フィード面であったり、まだまだ進化し続けている点も驚愕です。彼のようにフィジカルをストロングポイントにしていた選手って、肉体的に衰えてくると、スケールダウンすることが多いですが、彼にはその定説もただの戯言に過ぎません。

ヨニッチについては、現在のところ、「最優秀助っ人外国人選手」の筆頭でしょう。自分の中では、鹿島アントラーズのレオ・シルバがトップだったのですが、途中で故障離脱したので「ヨニッチ一択」に変わりました。

センターバックの場合、新加入の選手は、戦術面や組織面だったり、チームにフィットすることが簡単ではないはずなのに、あのパフォーマンスですからね。ボールにも人にも強いセンターバックは本当に貴重なので、セレッソ大阪は良い補強をしましたね。Kリーグ時代から二年連続ベストイレブンに選出されるなど、既に一定の評価を得てはいましたが。対人戦での体の入れ方であったり、カバーリングの安定感だったり、単に強いだけではない――本当に優秀な選手です。コンビを組む山下達也もすごいやり易さを感じているのではないでしょうか。

――他には?

月並ですが、浦和レッズの遠藤航、鹿島アントラーズの昌子源も入ってきますかね。序盤戦で言うならば、ヴィッセル神戸の岩波拓也、渡部博文もでしょうか。

後は、個人的に驚かされた選手として、ベガルタ仙台の平岡康裕、北海道コンサドーレ札幌の福森晃斗あたりの名前も入れたいです…という感じで上げていきだすと、キリがないですが…(汗)

――センターバックの次は、右サイドバック兼ウィングバックです。ユーザー投票では、浦和レッズの「関根貴大」が一位でした。

二位が柏レイソルの小池龍太、三位がセレッソ大阪の松田陸ですか。ここはあまり異論が出なさそうな結果でしょうね。ただ、投票自体が難しかったかも。サイドバックの選手に、ウィングバックが選択肢に入ってきましたからね…。

――Twitterの限界です…。

たしかに…こうなっちゃいますよね(笑)

――改めてこの三人の中から選ぶとしたら、カレンさんは?

「驚き」をプラスアルファ材料で考えると、自分は小池ですかね。

とりわけ、横浜FM戦で齋藤学に自由を与えなかった働きぶりは本当に驚かされました。下平監督も最初は「ブロックで抑える」ということを念頭に置いていたようですが、あまりにも小池が抑えるものだから、良い意味で予想を裏切られたみたいですね。以前にコラムでも書きましたが、このサプライズは、FC東京時代に長友佑都が東京ヴェルディのフッキを封じ込めて名を上げたサクセスストーリーに近いと思います。しかも、小池の持ち味はどちらかというと攻撃にありますからね。その彼が守備であそこまで魅せるんですから。今後の成長が楽しみで仕方がないです。

ただ、関根、松田も良かったですね。特に、関根については、ある意味、今季の浦和におけるベストプレーヤーではないでしょうか。既に伝説になった感のある「六人抜き」もそうですが、自力で局面打開する能力がさらに開花した印象です。

――あのゴールはサンフレッチェ広島の守備も不味かったのでは?という意見もあるようですが…。

もちろん、広島側の対応に問題があったことはたしかだと思います。あれだけの人数で寄せにいきながら、誰一人として「遅らせる守備」ができていませんでしたし。

ただ、それよりも関根を評価するほうが賢明だと思います。広島守備陣をあのような混乱に陥れたのは、何よりも関根が後半ロスタイムという苦しい時間帯に「仕掛けた」ことから生まれています。それに、ドリブルのコース取りや、ボールにタッチする間隔も良かったです。そう簡単に抑えられなかったと思いますよ。

――なるほど。

チームの成績が今季は不安定だったので、ベストイレブンを決めるということであれば、小池に軍配を上げてしまいますが、個人的な成績や貢献度を評価すれば、関根かもしれませんね。

――その他に気になった選手は?

そうですね。「途中までは…」といった言い方になりますが、ヴィッセル神戸の高橋峻希ですね。

上下動を終始繰り返すスプリント能力、1vs1の強さは際立っていました。これまで課題だった守備面は改善されていますし、コンスタントに活躍をし続ければ、日本代表入りもあると思うのですが…何よりも怪我の多さが残念です。先月も肉離れを起こしてしまい、チームの大事な時期に長期離脱ですからね。

後は、FC東京の室屋成も印象に残っています。

まだまだベストプレーヤーに挙げるには早いですが、着実に成長しています。球際で闘う姿勢だったり、タッチライン際、ゴールライン際のところで踏ん張れる強さも魅力的です。今後の課題は、ボールを持った時の判断力だったり、クロスの精度だったりですかね。もう少し決定的な仕事が確実にできていたら、FC東京のゴールも増えていたかと思います。

――右からポジションを移して、左サイドバック兼ウィングバックを。Twitterのアンケートでは、左は「宇賀神友弥」を押しのけ「その他」が一位でした。

面白いですね。というより、これはユーザーの皆さんも難しかったでしょう。右サイドバックとウィングバックの時のケースと一緒で、サイドバックの二人とウィングバックの宇賀神が共存するわけですから、けっこう好みで分かれたのかも…。

ただ、その中で、左で「その他」が一位だったのは、セレッソ大阪の丸橋祐介に票を入れたかった方が多かったのかなと推測します。

――それはあるかもしれません。実際に多くのユーザーの方から、そのようなツイートが見られました。

前半戦においてリーグ二位に位置したチームのレギュラーですからね。それに、実際のパフォーマンスも良かった。

今季のセレッソ大阪はサイドからの仕掛けがキーになることも多いですが、彼の左からの崩しは冴えていましたね。攻撃の基点としてもそうですし、正確なクロスボールが相手の驚異となる試合も多かった印象です。後は、ユン・ジョンファン監督になり、守備面もレベルアップしているような気もしますね。

――他にこのポジションの候補となると?

真っ先に思い浮かぶのが、べガルタ仙台の永戸勝也です。

あの高精度の左足は本当に魅力的で、ルーキーとは思えぬ働き(リーグ戦では全17試合に出場)を見せてくれました。チャンスを作った数で言えば、チームで最も多かったのではないでしょうか。

それだけに、先日の大怪我(7月1日のガンバ大阪戦で右足関節脱臼骨折および複合靭帯損傷。復帰までには全治6ヶ月との発表)は悔やまれます。大学時代にも長期離脱した経歴の持ち主なので、故障癖にならないことを祈るばかりです…。

後はサガン鳥栖の吉田豊ですかね。

元々、彼の球際の強さだったり、タフネスさがすごく好きなんですが、攻守両面において穴という穴もない。今季も終始安定したパフォーマンスを披露していました。

――アンケートで選ばれた、宇賀神友弥、車屋紳太郎、松原后については?

宇賀神については「本当にいつも計算ができる選手だな」という印象。「努力」、「継続」、「向上心」という言葉が似合う選手ですよね。実際、その「頑張り」が報われ、日本代表にも招集されました。

ただ、「もう少し最終局面に顔を出して欲しかったなぁ」というのはあります。元々、そういうところで勝負する選手ではないとも言えますが、「これ!」というわかりやすい長所も求めたいですね。本当に万能な選手ですが。

車屋は「一段と川崎フロンターレの重要な選手になってきているな」という印象です。

高い身体能力と技術を武器にしていて主戦場は左サイドでありながら、今季はセンターバックでも及第点以上のプレー。これまでにもセンターバックとして出場していますが、安心して見られるプレーは試合を追うごとに増えてきています。

彼の特徴を考えると、サイドバックに固定して欲しいところですが。いずれにせよ、今季の活躍を続けていけば、さらに楽しみが増す選手であることは間違いないですね。

最後に松原ですが、「インパクト」で言えば、このポジションにおいてトップクラスでしょう。

あのダイナミックな攻め上がりは本当に魅力的で、あの強烈なシュート力と攻撃センスを持った選手は、Jリーグの中でも希少です。縦関係でコンビを組む白崎凌兵と共に、今季はさらなる成長を見せてくれると期待しています。