主要企業の想定ドルレートは110円06銭 足元の為替は想定範囲内、関連倒産も低水準

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 企業の想定ドルレートは「106円〜110円」が43.2%で最も多く、足元の為替相場もおおむね想定の範囲内で推移しているようだ。

 帝国データバンクは6月27日、「企業の想定為替レートに関する動向調査」の結果を発表した。調査対象は全国の企業で有効回答企業数は1万29社、調査期間は4月17日から30日。

 企業の4月時点の想定為替レートの平均は1ドルが110円06銭円だった。分布を見ると、最も多かったのが「106円〜110円」の43.2%で、「111円〜115円」(20.8%)、「101円〜105円」(15.0%)、「116円〜120円」(9.3%)、「96円〜100円」(8.2%)が続いた。

 業界別の平均想定為替レートは、円高を想定している順に「不動産」(108円21銭)、「農・林・水産」(108円75銭)、「運輸・倉庫」(109円27銭)、「サービス」(109円32銭)、「小売」(109円37銭)、「建設」(109円38銭)、「製造」(109円83銭)、「金融」(110円71銭)、「卸売」(110円90銭)だった。

 輸出企業と輸入企業別に見ると、輸出をしている企業の平均想定為替レートは109円85銭で、そのうち海外取引が直接輸出のみの企業は108円85銭だった。輸入をしている企業の平均想定為替レートは111円15銭で、そのうち海外取引が直接輸入のみの企業は112円43銭だった。足元の為替相場は110円台で比較的安定的に推移しており、今のところ企業の想定内にあるようだ。

 そんな中、東京商工リサーチは6月8日、5月の為替関連倒産の結果を発表した。5月の為替市場は、フランス大統領選の投票結果を受けて欧州情勢の先行き懸念が後退したことから、9日には1ドルが2カ月ぶりに114円台まで円安が進んだ。その後はじりじりと円高が進み、5月末には1ドルが110円台で取引が行われた。こうした中、5月は円安関連倒産が3件発生し、前年同月の11件から大きく数を減らした。また、過去の円高時のデリバティブ取引の損失などを原因とする円高関連倒産は2件発生し、前年同月3件を下回った。

 このところ為替相場は安定的に推移しており、為替関連倒産も減少している。しかしながら、北朝鮮情勢をはじめとした地政学リスクなどもあることから、為替相場の動きには注視しておく必要がありそうだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]