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 K大学の、大抵の学棟の前や敷地内には電話ボックスが設置されている。だが、唯一商学部A棟前の道にある電話ボックスのみ、背の低い電話スタンド(小さな屋根あり)になっている。

 大学の敷地の中で、屋外にある公衆電話で電話ボックスではないのはここに設置してある電話スタンドのみ。なぜここの電話ボックスが電話スタンドになったかというと、その後ろにある大きな木に由来がある。

 一人の学生が、何らかの原因で心を病み、商学部A棟前の大木にロープを垂らして首を吊ったのだ。首を吊るのに丁度良い枝が、電話ボックスの上に突き出ていたため、電話ボックスによじ登ってロープをかけ、そこから飛び降りて自殺したのだ。

 それ以降、この電話ボックスで電話をかけていると、電話ボックスのアクリルの壁を、誰かが外からドンドン! と激しく叩くようになった。

 勿論姿は見えない。が、叩かれるのは学生の頭より少し上ぐらい。つまり天井付近なのだ。首を吊った学生が、死にきれずにもがいた足が、今も電話ボックスの壁を蹴り続けているのだ。

 そんなことがあってから、電話ボックスは撤去されて、代わりにずっと背の低い電話スタンドが建つようになった。

 また、大学の大きな木は全て、下の方の枝は根本から切り払われるようになった。枝があるのは余程細い枝や、低い木のものばかりである。勿論、もう2度と誰も首を吊るような事が無いように、である。

 だが、たまにこの学校で写真を撮ると、枝からロープを垂らしてブラリと下がった影が写る、と言う。

 ついでに、霊感のある友人が「ここの木は怖いよ、だって全部の木から誰かがぶら下がってるし」と言っていた事も、付け加えておこう。

文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所