ちょっとした日々の疲れなら、休養を取ることで回復します。しかし休んでも疲れが取れず、体が極度に疲労してしまい病気として認められるような場合を「慢性疲労症候群」といいます。原因は分かっていませんが、体の免疫・神経系に狂いが生じ、またウイルスが原因となる場合もあるとされており、一般の慢性疲労とは異なる病気です。慢性疲労症候群かどうかはこちらで簡単なセルフチェックもできます。

原因が解明されていない慢性疲労症候群

慢性疲労症候群は未だに原因が解明されていない病気で、日本人の患者数は100万人ほどになるそうです。慢性疲労症候群が認知されるようになったのは比較的最近のことであり、1984年に米国のある村で、強い疲労症状が集団発生したことがきっかけとなりました。EBウイルス(エプスタイン・バール・ウイルス)などによる感染症が疑われたものの、原因となるウイルスを突き止めることはできませんでした。日本でも1990年代には慢性疲労症候群が認知されるようになり、厚生労働省により慢性疲労症候群の診断基準が設けられ、現在も原因解明に向けて研究が進んでいます。

感染症が原因となることも

慢性疲労症候群は原因が明らかでないものの、体内に異常が認められることがよくあるそうです。人間の体は、神経やホルモン、免疫の機能によりコントロールされています。しかしストレスや過労により神経機能やホルモン分泌が崩れ、免疫が弱まると、それまで抑えられていたウイルスが活性化します。すると免疫力を上げウイルスを撃退するために、サイトカインや抗体などの免疫物質が過剰分泌されるようになり、これらが体を疲労させてしまうとの説があります。

また慢性疲労症候群は何らかの感染症にかかった後に発症することが多く、たびたび集団発生することから、ウイルスや細菌が原因のひとつとして考えられています。しかし病原菌を特定することができず、ウイルス感染に加え他の要因との関連で起こるとされています。

疲労症状は周囲の理解が得られにくいのが難点

疲労は数値で測ることができず、病気と判断のしにくい慢性疲労症候群ですが、厚生労働省により診断基準が設けられています。原因が分からない強い疲労感が6ヶ月以上続いたり繰り返し、微熱や頭痛、喉や関節の痛み、睡眠障害などの症状が続き、検査で特定の病気が見つからない場合に慢性疲労症候群とされるそうです。慢性疲労症候群は原因が不明であるため、決定的な治療法があるわけではありません。単なる疲労が原因ではないので、休むだけでは治らないのです。治療には薬物療法が用いられることが多く、漢方や抗ウイルス剤、ビタミン剤など、患者の状態に合わせて服用していきます。

慢性疲労症候群の症状となる疲労感は周囲に理解してもらいにくく、サボっていると間違われることもあり、精神的な苦痛を生むことがあります。症状が悪化すると日常生活に支障をきたすこともあります。一人で我慢して悩みを抱え込まず、疑いのあるときは医師に相談してみましょう。


writer:Akina