たった1通のLINE。

その巧拙が恋愛の勝敗を決めかねないが、恋愛マニュアル情報は巷に数多くあれど、LINEの正解を教えてくれるコンテンツはほぼ見当たらない。

男女でLINEに対する捉え方は、全く異なるようだ。

あなたが送るそのLINE、気づかぬうちに間違えていないだろうか。




Q1:仕事終わりの一言。彼女になんて送るべき?


「今日も疲れたな...」

丸の内のオフィスを出て、タクシーに乗る。時刻はもう24時近い。携帯を見ると、何件かLINEが溜まっている。

しかし疲れているのか、すぐに見る気にもなれず、そのまま画面から目をそらす。

外資が激務だとは聞いていたが、実際に働くと想像以上だった。毎日帰宅は深夜。仕事は楽しいが、ハードワークであることに間違いはない。

自宅のある勝どき方面に向かうタクシーから、流れる街をぼうっと見ながら、再び携帯に視線を戻す。

何件か溜まっているLINEは無視し、彼女の由美にメッセージを送る。




由美のことは、学生時代から知っていた。しかし当時からミスコンに出場したり、芸能界に片足突っ込んでいるような活動をしていた由美は、ずっと手の届かぬ存在だった。

そんな由美と社会人になってから偶然再会し、そして付き合うことになった。

-外資系証券会社勤務。

この肩書きがあれば、女性はたくさん寄ってくる。出会いもあるし、LINEも山のように来る。

付き合いもあるので食事会にも顔を出すし、飲みにも行く。しかしその中でも、昔から知っている由美は特別な存在だった。


疲れている男が癒される、もらって嬉しいLINEとは


疲れた時に癒しとなるのが彼女という存在


由美は派手な外見とは裏腹に、とても古風な女の子だった。

たわいもない会話にも付き合ってくれる上、気遣った言葉を返してくれる。疲れた時に由美に一言LINEを送ることで、どこか癒されている自分がいた。

そしてもっと遊んでいるのかと思いきや、平日はほぼ出歩いておらず、22時くらいにLINEを送ると大概家にいる。

料理も得意だし、掃除も好きだ。きっと世の中の男性はこういう女性と結婚したいと思うのだろ。

-由美と付き合えてよかったな。

家に着いた途端、どっと疲れが出てきて、ベッドに横たわる。 気がつけばそのまま深い眠りに落ちていた。




Q2:よくある恋人同士のLINE。この内容で何か悪いポイントあり?


翌日会社へ行くと、いつものごとく目の回るような忙しさで、あっという間に1日は過ぎていった。

束の間の昼休み、ランチを買いに行くついでに由美から来ていたLINEに返信をする(ランチはデスクで食べるので、決して優雅なランチではないが)。




映画か...のんびり家で休みたい気もするが、由美が行きたいというならば仕方ない。それにどこか夜ご飯の店も予約しておいたほうがいいだろう。




今週は本国から上司が来るため、毎晩接待だ。だから鮨とか和食は避けたいと思っていると、由美から返信が来る。




こういう気遣いができる女性はいそうで、いない。




それだけ返信するとまた会社へ戻り、この日も夜遅くまで仕事は続いた。


何事もなく幸せだったのに...突然変わる女心の恐怖


測り難きは女心


週末になり、出かける準備をしていると由美からLINEが入っていた。




いつも以上に神妙なLINEのトーンに、一瞬胸騒ぎを覚える。付き合ってもうすぐ2年で、お互い26歳。由美は結婚したい年頃だ。

ついに結婚を迫られるのだろうか...




胸騒ぎを覚えながら、待ち合わせの六本木ヒルズに向かった。

「ごめん、待った?」

「全然。忙しいのにありがとう。週末会えるだけでも嬉しいよ♡」

由美と会えるのは週末が多い。平日は接待が多い上、いつコールが入るか分からないため、約束しても確実に行ける保証がない。

ドタキャンするのも嫌なので、なるべく週末に時間を割くようにしていた。

白のオフショルダーにデニムという夏らしい装いの由美は、相変わらず華やかで、この日も街ゆく人の視線を集めている。

「それじゃあ、行こうか」

由美の手を取り、映画館に入った。



映画が終わり、由美が予約してくれていた『裏恵比寿 自然生村』へ向かう。

この店の代名詞のような鍋である「すりおろし自然生とろろ鍋」をオーダしたが、野菜がたくさん摂れ、 自然生すりおろしが投入された鍋は美味しい上に健康的だ。




「もうさ、連日接待で胃が大変だったから嬉しいよ。ありがとう。」
「そっか、良かった。このお店、好きなんだよね〜」

そう言いながら由美は美味しそうに生とろろを食べ、シメのとろろ雑炊までペロリと完食した。

「相変わらず、細いのによく食べるね。」

由美は見ていて気持ちが良い食べっぷりだ。会計を済ませ、外に出ると夏の夜風が気持ち良かった。

「そう言えば、話って何?」

今日1日、デートの間中ずっと気になっていたことだ。ここまで引っ張るのは、相当なことだろう。結婚はいつか?と言われるのだろうかと思い、鼓動が早まる。

「あのね、実は。」

「うん、どうした?結婚したいの?」

「別れたいの。ごめんね。」

-ん?どういうことだろう?

一瞬、頭が真っ白になった。今、俺はフラれているのだろうか?

この2年間、ずっと楽しい時を過ごしてきたはずだ。しかも昨日まで毎日のようにLINEを送りあい、喧嘩もしていない。思い当たる節が全くなかった。

「え?なんで...他に好きな人でもできちゃった?」

「ううん、それはないよ。今でも純平君のことは好きだよ。」

更に頭が混乱する。まだ好きなのに、どうして俺はフラれているのだろうか?

「ごめんね。今までありがとう。また連絡するね。」

そう言って去っていく由美の後ろ姿を、ぼんやりと眺ることしかできなかった。

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