主要国直近1年の株式パフォーマンス 上昇率1位は意外にも「あの国」だった!?

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 世界のどの国も総じて景気は回復していませんが株価だけは上げています。リーマンショック後から継続している異例の金融緩和・量的緩和による資金が、ほかに行きも場なく株式市場に流入しているためですが、最近は量的緩和の縮小を示唆する発言が各国要人から出てくるようになりました。実際に行われるかはともかく市場心理がそれをどう受けとめているかは気にしておく必要があります。刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』が各国市場の立ち位置を検証します。

市場の反応を正確に読むことが
向こう数年の投資パフォーマンスを決める

 世界の金融市場はドイツの物価上昇を受け、ECBが量的緩和縮小に踏み切る可能性に大きく反応したようです。イングランド銀行も遠くない時期に利上げに追い込まれるでしょう。

 これまでの株高は、各国中央銀行による金融緩和・量的緩和によるものでした。その方向性が変わるとしたら……市場の反応を正確に読むことが向こう数年の投資パフォーマンスを決定づけるはずです。

 とはいえ、無意味に弱気になる必要はありません。株式市場はイベント(突発的な悪材料)にどんどん鈍感になっているからです。金融緩和・量的緩和を後退させる「示唆」くらいなら、市場はこれを「イベント」として消化してしまうでしょう。

 いつからイベントに対する耐性が強くなったのか――ちょうど1年前、英国のEU離脱の是非と問う国民投票までは、市場はイベントに対してそれなりの反応を見せていました。その後トランプ当選や北朝鮮問題などでは下げ幅はどんどん小さく、戻りは早くなっています。

 そこで、英国の国民投票直後の安値から先週末(2017年6月30日)までの各国株式市場の上昇率を比較してみました。上昇率が低いほど悪材料に弱い、上昇率が高いほど悪材料に強い市場と判断することができます。

 比較対象には新興国を含む、主要18か国・20市場を選びました。米国にはNYダウとNASDAQ、中国には上海総合とハンセンが含まれます。まずは上昇率の下位・10市場からです。

【国別上昇率 ワースト10】
‘逎▲侫螢(TOP40 -0.3%)
▲蹈轡◆RTS 9.6%)
メキシコ(IPC 11.0%)
っ羚顱幣絣ち躪11.8%)
ゥーストラリア(ASX 11.9%)
Ε汽Ε献▲薀咼◆SASEIDX14.2%)
Д好ぅ后SMI 14.9%)
┘ぅ鵐鼻SENSEX 17.1%)
英国(FTSE100 19.1%)
インドネシア(JCI 20.5%)

 原油価格の下落を受けた資源国(オーストラリア、サウジアラビア)、トランプに目の敵にされているメキシコ、経済不安の中国、大幅なマイナス金利の弊害が出ているスイス、EUを混乱させた張本人の英国、新興国でもとりわけ人口が多い(消費が経済の大きな割合を占める)インドやインドネシアなどが「下位組」に名を連ねています。

この1年で世界でもっとも上昇率が
高かったのは日経平均(+34.0%)!

 では上昇率の上位・10市場はどうでしょう?

【国別上昇率 ベスト10】
‘本(日経平均 34.0%)
▲肇襯魁ISE 33.2%)
イタリア(FTSEMID 30.9%)
な胴顱NASDAQ 30.4%)
ゥ疋ぅ帖DAX 28.9%)
γ羚顱淵魯鵐札 27.1%)
Д屮薀献襦Bovespa 25.5%)
┘侫薀鵐后CAC40 24.7%)
韓国(KOSPI 24.2%)
米国(NYダウ30 22.7%)

 なんと、潜在成長率も長期金利も低い日本がベスト1でした。ほかにも問題山積のトルコが2位、欧州トップがイタリアであるなど、ベスト10はやや首を傾げたくなる顔ぶれです。とはいえ、ここはまず「過去1年の株式相場はそういうものだった」と眺めてください。後付けの解釈は無意味ですが、今後を考える時のスタートラインとしては重要です。

 ここから資源価格が大きく上昇することはなさそうです。米国やユーロ圏の長期金利がさらに上昇するのであれば、資源国を含む新興国の経済や株式市場が動揺し、先進国の株式市場にも跳ね返ってくる恐れがあります。

 また、現時点だけ見ればユーロ圏経済の優位性は続くと思われるものの、過熱とかインフレ高進といった状態にはならないはずです。

 となるとECBが量的緩和の縮小を無謀に急がない限り、その影響が世界に波及することはありません。またFRBも極端に利上げや資産縮小を急がなければ、本年後半の株式市場もそれほど心配はないでしょう。

 しかし、政治的要素も含めていろいろ不確定な部分も多く、最大限の注意を払っておかなければなりません。リーマンショック以降初めて金融緩和・量的緩和の後退を、世界が懸念し始めているからです。

 ここからは、世界の政治情勢が株式市場に与える影響も無視できません。ユーロ圏の政治情勢が米国に比べ落ち着いている状況が変わってくる可能性も含めて、検証しておく必要がありそうです。

金融緩和・量的緩和縮小の「示唆」くらいではまだ心配する必要はなさそうですが、好調なときこそ油断が怖い。つねに注意を怠らず市場心理に目配りをしていくことが必要です。刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』では、株式、為替、債券、商品、政治経済の動向を入念にチェックして、毎週1回皆さんに解説記事をお届けしています。