モウリーニョ監督に逸材を見る目なし!? 「放出後に飛躍した10人」を英メディア特集

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一度手放したルカクを3年後に2.5倍の高値で買い戻す羽目に

 マンチェスター・ユナイテッドはエバートンからベルギー代表FWロメル・ルカク獲得で合意に達した。

 ルカクは2014年にジョゼ・モウリーニョ監督が率いていたチェルシーから放出されたが、昨季25ゴールと活躍し、移籍金7500万ポンド(約110億円)でモウリーニョ監督に買い戻される形となった。

 百戦錬磨のモウリーニョ監督だが、期待の逸材が放出後に飛躍を果たすケースが少なくない。英衛星放送「スカイ・スポーツ」では、モウリーニョが輝くのを拒否した10人を特集。名将の見る目のなさをクローズアップしている。

 逃した大魚の筆頭に登場したのは、やはりルカクだ。14年シーズン、21歳のストライカーをエバートンに移籍金3000万ポンド(約44億円)で放出。モウリーニョ監督は退団したズラタン・イブラヒモビッチに代わる新ストライカー補強のため、一度手放してから3年後に2.5倍の高値で買い戻す羽目になった。

 2番目に登場したのはマンチェスター・シティのベルギー代表MFケビン・デ・ブライネだ。モウリーニョ監督はチェルシー監督時代に司令塔を「地に足のつかない子供」と酷評。練習での取り組み方に不満を持ち、13年8月にヴォルフスブルクに移籍金1800万ポンド(約26億円)で売却した。しかし、ブンデスリーガ最高級のエースに成長し、翌年に5450万ポンド(約80億円)でシティに移籍。昨季は18アシストを記録するなど、モウリーニョ監督を見返す活躍を見せている。

マタはユナイテッドで打って変わって主力に

 世界最高のストッパーと称されるユベントスのイタリア代表DFレオナルド・ボヌッチも3番手として登場。当時インテルを率いていた名将は09年に移籍金340万ポンド(約5億円)でバーリに放出。その後、ユベントスへとステップアップを果たし、インテルで出番のなかったボヌッチは世界中の名門が求める実力者となった。

 サウサンプトンのイングランド代表DFライアン・バートランドもモウリーニョに見切られた一人だ。20代前半はチェルシーからレンタル移籍を繰り返し、12年UEFAチャンピオンズリーグ決勝バイエルン・ミュンヘン戦に先発し、優勝に貢献したが、14年にモウリーニョ監督は完全移籍でサウサンプトンへの放出を許可した。それから新天地で頭角を現し、リーグ屈指のサイドバックへと成長を遂げている。

 マンチェスター・ユナイテッドのスペイン代表MFフアン・マタも、かつてモウリーニョ監督に一度切られた一人。12年シーズンにチェルシー年間最優秀選手に選出された小柄な司令塔だが、「マタはモウリーニョの復帰後、オスカルにポジションを強奪された。司令塔は1月の移籍市場でライバルのマンチェスター・ユナイテッドに加わることをモウリーニョは許した」と特集では振り返っている。

 ユナイテッドの指揮官となったモウリーニョ監督は、打って変わってマタを主力として重宝。「チェルシーよりもユナイテッドに適応している」と、名将はマタに対する持論を展開しているという。

73億円で放出のDFが優勝の立役者に

 昨季チェルシー優勝の立役者の一人、ブラジル代表DFダビド・ルイスは5番目に登場している。チェルシー時代の14年シーズン、指揮官はこのストッパーをパリ・サンジェルマン(PSG)に移籍金5000万ポンド(約73億円)で放出。PSGではリーグタイトルを獲得し続け、昨季チェルシーに復帰。D・ルイス復帰はアントニオ・コンテ監督の「神業」と記事では評価されており、モウリーニョ監督にとっては痛恨の事態となった。

 今季ローマからリバプール移籍の決まったブラジル代表FWモハメド・サラーは6番手で登場。モウリーニョ政権のチェルシー時代にフィオレンティーナとローマに期限付き移籍で放出され、後に完全移籍でローマの一員となった。昨季11アシストを記録した高速ウインガーは、ユルゲン・クロップ監督の眼鏡に叶い、リバプール移籍を果たすことになった。

 サウサンプトンのスペイン人MFオリオル・ロメウもまた名将との決別後に開花した男だ。バルセロナ下部組織出身の新鋭は23歳だった15年にわずか600万ポンド(約9億円)でサウサンプトンに移籍。「セント・メアリーズで中盤の圧倒的な力となっている」と記事では称賛され、2年間で大きな成長を示した。

 レアル・マドリード監督時代にバレンシアのアルゼンチン代表DFエセキエル・ガライを放出した過去もクローズアップされている。ガライはその後、ベンフィカで活躍し、昨季はバレンシアで主力としてフル稼働。チェルシーの補強候補としてリストアップされている。

1年で去り、アトレチコで最少失点に貢献

 チェルシー時代に戦力外としたアトレチコ・マドリードのブラジル代表DFフェリペ・ルイスは古巣復帰で輝きを取り戻した。モウリーニョ政権ではわずか15試合出場にとどまり、1年でスタンフォード・ブリッジを去ることになったが、昨季はアトレチコでリーグ戦34試合に出場し、リーグ最少失点に貢献している。

 数々のタイトルを積み上げてきた優勝請負人だが、栄光の陰で才能を開花させきれなかったスーパースターもたくさん存在するようだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images