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 米半導体メーカーのNVIDIA(エヌビディア)と中国大手検索エンジンのBaidu(バイドゥ)は7日、人工知能テクノロジーに関して、クラウドコンピューティングや自動運転車、AIによるホームアシスタントなど、幅広い分野で提携することを発表した。

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 今回の協業により、両社の高い技術リソースをAIコンピューティングプラットフォームの構築に充てることが可能となる。このプラットフォームはさまざまな組織で画期的なAIアプリケーションや自動運転車に携わるすべての開発者を対象としている。

 クラウドでは、次世代の「NVIDIA Volta GPU」を「Baidu Cloud」に採用し、世界有数のディープラーニングプラットフォームを提供する。

 自動運転車では、NVIDIAの「DRIVE PXプラットフォーム」をBaiduによる自動運転車の取り組みに採用し、中国の大手自動車メーカーとともに開発を進める。Baiduの自動運転車のオープンプラットフォームである「Apollo」を、NVIDIA のソフトウェアと組み合わせて活用。中国の大手自動車メーカー数社が7日、Apolloのアライアンスに参加すると発表済み。参加するのは、Changan、Chery Automobile、FAW、Greatwall Motorなどである。

 その他、オープンソースによるBaiduの「PaddlePaddleディープラーニングフレームワーク」を「NVIDIA Volta GPU」向けに最適化し、研究機関や研究者に広く提供する。PaddlePaddleは13年にオープンソース化され、検索ランキング、画像分類サービス、リアル音声タイム認識、視覚文字認識などBaiduの多くの製品に利用されている。NVIDIAのサポートにより、研究者や企業が次世代のAIアプリケーション開発に最適なプラットフォームを利用できるようになる。

 またBaiduのDuerOS対話型AIシステムを「NVIDIA SHIELD TV」に追加し、中国の消費者にAI機能も提供する。SHIELDにより、ストリーミング、ゲーム、スマート ホーム アシスタントにて優れた製品が実現。ストリーマーの中国向けに作成されたカスタムソフトウェア付きバージョンは、今年中に提供される予定である。

 NVIDIAは米カリフォルニア州サンタクララにある半導体メーカー。コンピューターのグラフィック処理や演算処理の高速化を目的とするGPUを開発・販売している。近年、GPUディープラーニングがAIの火付け役になったことから、同社のGPUがコンピューター、ロボット、自動運転者の脳の役割を果たすなど、「AIコンピューティングのリーディングカンパニー」として知名度を上げている。

 一方で、Baiduは中国で最大の検索エンジンを提供する世界的企業。画像・動画系のマルチメディアサービスや百科事典など提供サービスは幅広く、近年は人工知能を自社開発するなどAI関連分野においても存在感を発揮している。

 また今月5日には、NVIDIAやフォード、ダイムラーを始めとする世界の大手企業50社と世界最大の自動運転開発連合「アポロ計画」を設立するなど、自動運転においても主導的役割を担っている。今回のNVIDIAとの提携により、クラウドから自動運転車まで多方面において、AIによるサービスを強化していくようだ。今後もAIをめぐる世界的企業の動きには注目である。