今回の九州の大雨被害では、土砂崩れや道路の冠水などで孤立した人々が、ツイッターのハッシュタグ「#救助」で救助要請をするケースが多く見られた。

 実際に、「きのうの大雨で祖父・祖母と連絡が取れなくなりました。近くの理髪店を経営しているので、そちらに避難したかもしれませんが、あたりは土砂崩れで道も通れず、橋も流されているようなので救助をお願いしたいです」といった内容の投稿がされていた。

 一方で、携帯電話3キャリアで通信障害が発生したエリアもある。災害時のメディア利用を研究する東京大学特任准教授の関谷直也氏は、「『#救助』で救えたのなら、それに越したことはない」と前置きしたうえで、「ハッシュタグをつけて救助を求めるということはツイッターが使えるということ。電波が使えるということなので、本当に救助が必要なら119番に電話をかけて欲しい。GPS情報をオンにして119番にかけると、消防でどこにいるのかが分かる。しかし、ハッシュタグをつけても、ちゃんと位置を書いたとしてもそこまで救助に行けない。両方大事だが、まずは119番にかけて欲しい」と訴えた。

 「#救助」を利用した声としては、「無事に救助されましたので、ハッシュタグをつけた救助要請ツイートは削除させていただきます」「皆様、救助要請のリツイートありがとうございました。祖父母は消防の方に連れ出して頂き、安全なところに連れて行ってもらったそうです。これ以上自宅にとどまるのは危険ということで救助されているようです」といった報告もあった。

 ツイッター社は、電話が使えないときの救助要請として、ハッシュタグ「#救助」をつけて投稿することを推奨している。災害時は電話が使えない・繋がらない場合もあり、投稿が時系列で順序立てて表示されるのはSNSならではの利点だ。

 関谷氏はそれらを踏まえたうえで、「(SNSは)最終手段だと思う」と話す。「今回災害が起こったのは山間部なので、住所を書いても消防が辿りつけない場合がある。きちんとGPS情報をつけて、どこにいるという緊急情報を出して欲しい。それでもなかなか救助が来ない場合は、ツイッターを使うことはもちろん重要。まずは119番通報をトライしてほしい」と、119番の必要性を改めて話した。

 一方で、SNSで発信すべき情報については、「東日本大震災の辺りからSNSで救助を求める動きはあるが、やはり位置特定ができないので公式には活用されていない。使う場合は、住所、場所、人数、どういう状況かをちゃんと出すことが大事」と説明した。

 また、見逃しがちなこととして、関谷氏は固定電話の活用を指摘する。携帯電話よりも固定電話、公衆電話の方が位置を特定しやすく、特に公衆電話は“災害時優先電話”として繋がる可能性が高い。関谷氏は「公民館など避難先の公共施設には、公衆電話が置いてある場合も多い。SNSの他にもやるべきことはある」と話した。

 関谷氏は6日夜放送のAbemaTV『AbemaPrime』出演後に、「『#救助』の前に。」という記事を投稿。「最近、災害になると『#救助』がニュースに取り上げられる」と切り出しつつ、救助要請の際に覚えて欲しいこととして以下の4点をまとめている。

(1)生命にかかわる緊急を要する通報はまずは119番をしてください

(2)携帯電話、スマートフォン以外の方法も試してください

(3)Twitterによる「#救助」が有効な場合とは

(4)そもそも119番、110番などもふくめて緊急通報が意味を持つ場合とは

 (3)に関しては、「携帯の通話・データ通信が使えず、固定電話の電話も使えない場合で、Wi-Fiもしくは、有線の光回線などのみが利用可能な場合に限られる」とし、電話が使えない場合の手段として強調した。

 また、救急車や消防車、救助側の人員には限りがあり、特に人口が多い都市圏では「自分たちで何とかする」必要が出てくることを述べている。「#救助」は最終手段であり、自身・家族を守るために普段から災害に備えておくことを促した。

(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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