お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指す【脱貧困診断】。今回の相談は、小池礼子さん(仮名・百貨店勤務・32歳)からの質問です。

「海外旅行にいくときに、毎回、海外旅行保険に入るかどうか迷います。今まで一度も使ったことがなく、もったいないなぁと思うこともあり……。やはり、入るべきなんでしょうか。できるだけコンパクトに、必要十分な加入のポイントを教えてください」

4泊6日のハワイ観光旅行の場合で7000〜8000円程度、無事に帰ってくると、海外旅行保険に払ったお金でおいしいディナーが食べられた……と考えてしまう気持ちもわからなくもありません。最も賢い加入法を、森井じゅんさんに教えてもらいましょう。

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 保険なしで旅行が満喫できるか熟考を

相談者さんのように、「使わないかもしれない保険にお金をかけるのはもったいない!」と考える人は少なくありません。実際、海外旅行保険に加入しない人もいます。

しかし、海外旅行中にケガをしてしまったり、病気かかったりして病院にかかれば、莫大な診察料や治療費がかかります。

また、海外旅行では事前の情報も不足しがちです。行ってみたら思った以上に治安が悪くて盗難などの被害に遭う場合もありますし、日本での常識が通用せず思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。

それらを補償してくれるのが、海外旅行保険です。

旅行前は、保険が必要になる状況をイメージしにくいかもしれません。渡航先の治安状況、現地で体験するアクティビティー、そして、自分の経験の有無。万が一を想定出来ないのが海外旅行です。しっかりとリスクを検討してから加入するかしないかを決めてください。

ところで、海外で日本の健康保険が全く使えないわけではありません。

海外療養費制度という制度があり、海外旅行など海外滞在中に急な病気やけがなどにより、やむを得ず現地の医療機関で診療等を受けた場合、申請により、一部医療費の払い戻しを受けることができます。

たとえば、海外で急な病気にかかって治療を受けたとき。日本国内の医療機関等で同じ傷病を治療した場合にかかる治療費を基準に計算した額と、実際に負担した額の差額を受け取ることができます。

しかし、日本と海外での医療体制や治療方法等が異なり、医療費のわずかな払い戻ししか受けられないケースも少なくありません。

そもそも海外旅行自体、安いものではありませんね。その大事な旅行を安心して楽しむために、万全の準備をしたいと考えるなら、加入すべきでしょう。

それでは、賢い加入方法を考えてみましょう。

まずは手持ちのクレジットカードの補償をチェック

クレジットカードには、持っているだけで、海外旅行保険が付いている「自動付帯」というものがあります。まず、今使っているクレジットカードに海外保険が付帯されているか確認してみましょう。そして、保険が付いていれば、その補償内容もしっかり確認しましょう。

楽天カードやイオンsuicaカードなど、年会費無料のクレジットカードにも、旅行保険が付帯しているものがあります。この場合、保険料を払わず、一定の補償を受けられるということになります。現在そういったクレジットカードを持っていない場合でも、海外旅行を機会に旅行付帯のクレジットカードを作る、という手もありますね。

ただし、クレジットカードに付帯する海外旅行保険では十分な補償とはいえないケースが多いです。
海外旅行中に保険を使うことになる最多ケースは、病気とケガです。たとえば、傷害治療や疾病治療の補償額でみると、イオンsuicaカードの補償額は最高で50万円です。一方、損害保険会社の海外旅行保険では、300万円程度。
また、「利用付帯」といって、そのクレジットカードを旅行中、一定の条件で使った場合のみ保険利用できるというものもあります。確認してみてください。

海外旅行保険は、自分で補償内容を選べることがほとんど。海外旅行保険とクレジットカードの旅行保険を組み合わせることで、十分な補償を安く手に入れることも可能になります。

サポート体制が24時間の保険会社も検討しよう

行き慣れていない地域へ行くときには、何かあった時保険会社のサポート体制は心強いものです。特に言葉がよくわからない地域への旅行中にトラブルがあった場合、状況を説明することも困難です。旅行地域や自身の経験から、

旅行地域や自身の経験から、サポート体制として「日本語で24時間体制でのサポート」があるも
のがよいか検討してみてください。

また、キャッシュレスで病院での治療が可能なサービスなどもあります。保険料が安いからではなく、サポート体制がきちんとしているかで検討してください。

加入しておくと安心な個人賠償責任

一般の海外旅行保険で悩むのは、「どの補償をつけるか」です。病気やケガ等の補償はもちろんですが、他人にケガをさせてしまったり、あやまってお店の品物を壊してしまったりということも考えられます。
ホテルの部屋を水浸しにしてしまい、法律上の賠償責任を負ってしまうケースもあります。そんな時のために個人賠償責任もあると安心なもののひとつでしょう。

高額な携行品補償は必要?

また、高額なカメラや時計やアクセサリーなど、自分の持ち物が盗まれたり壊れたりするリスクをカバーしたいと考える人も多いかもしれません。たしかに、高価なものを持ち歩いていれば、そうしたリスクが高くなります。その補償も必要ですね。と言いたいところですが、そもそも、旅行中に高価なものを持ち歩く、身に着ける必要があるのか。持ち歩かないのであれば、それに保険をかける必要はありませんね。その分、保険料は安くなります。

しっかり考え、持ち物を見直してみる事も大切です。

また、海外での歯の治療なども高額になりがちです。歯の治療に限らず、治療ができるものは、治療をしてから海外旅行を楽しむこともリスク回避のひとつです。

インターネットでの申し込みが賢い

そして、保険の入り方にも注意が必要です。保険は出発当日に空港で加入することもできますが、出発前にインターネットなどで申し込むことをおすすめします。

海外旅行保険は、自宅を出発してから帰宅するまでの間に発生したケガや損害等が補償の対象です。つまり、出発時に空港で加入した場合、自宅から空港に到着するまでに発生した損害は補償の対象外となってしまうのです。

さらに、ネット専用の海外旅行保険は、通常の海外旅行保険に比べて3〜4割保険料が安く設定されていることが多いので、こちらもチェックしてみてください。

万が一に備えるのが保険っていうことはわかっているけど、ムダ金な気がしてしまう貧乏ゴコロ。



■賢人のまとめ
心配な箇所は事前治療をしておいたり、保険に入らないと不安な高額な持ち物を持って行かないなど、自分で対策できることは対策をしたうえで、自分に必要な補償を検討して加入しましょう。クレジットカードの付帯保険や、ネット専用の海外旅行保険も検討の余地アリです。

■プロフィール

女子マネーの達人 森井じゅん

1980年生まれ。高校を中退後、大検を取得。レイクランド大学ジャパンキャンパスを経てネバダ州立リノ大学に留学。留学中はカジノの経理部で日常経理を担当。

一女を出産し帰国後、シングルマザーとして子育てをしながら公認会計士資格を取得。平成26年に森井会計事務所を開設し、税務申告業務及びコンサル業務を行なっている。