いよいよ夏本番ですが、暑さにめげずにスポーツを楽しみたい!マラソンをこよなく愛する「走る気象予報士」こと石榑亜紀子が、スポーツ庁の鈴木長官とスポーツドクターの川原先生に、夏の熱中症対策についてお話を伺ってきました。

1

【今回お話を伺った方】
(左)スポーツ庁長官:鈴木 大地 様
(右)一般社団法人日本臨床スポーツ医学会 理事長・日本体育協会公認スポーツドクター:川原 貴 様


今年の夏は猛暑傾向!?熱中症リスクを回避するために

―この夏は7・8月を中心に高温多湿の猛暑予想となっており、より一層スポーツに取り組みにくい夏となりそうですが、熱中症に関して、どのような点に注意が必要でしょうか。
川原先生:熱中症の要因は3つで、「環境」、「運動」そして「個人」です。気象に関わる「環境要因」でお話すると、気温が高いこと、湿度が高いこと、輻射熱が強いこと、風がないことの4つが注意すべき環境条件です。
また、梅雨明けのように急に暑くなるときや、それほど気温が高くなくても湿度が高い日も注意が必要です。実は、学校管理下における熱中症の死亡事故の多くは運動部活動によるものですが、半分近くが、気温30℃以下・湿度60%以上で起こっているんですよ。

―スポーツ庁やスポーツ関係団体では、「熱中症対策」についてどのような取り組みをされていますか。
鈴木長官:スポーツ庁では、毎年5月頃に、各都道府県などに対して熱中症事故防止に関する依頼を行い、一般の市民はもちろん、特に教育関係者や指導者に対して注意を促しています。また、日本体育協会や日本スポーツ振興センターでも、熱中症について国民の皆さんにしっかり理解していただくためのガイドブックなどを作成し、ホームページでも公開しています。
それから、例えば、私が昨年視察をした高校総体のサッカーにおいては、試合の途中に給水タイムを設けるなど、競技のルールに熱中症対策を取り入れる取り組みも始まっています。
スポーツにおける熱中症対策は「する」人だけでなく、「みる」人、「ささえる」人すべての人に関わる問題です。それぞれどんな点に気をつければよいのか、詳しくみていきましょう。

川原先生がおすすめする「熱中症予防5ヶ条」


【スポーツをする人】油断大敵!意外なあのスポーツでも熱中症の危険アリ

―選手時代の熱中症対策や、それにご関連するご経験はありますか。
鈴木長官:室内プールで行う水泳に関しては、練習時や競技時によって異なりますが、大体水温26〜30℃で、環境要因としての熱中症リスクはそれほど高くはありません。しかし、運動量は激しく、汗を大量にかくため、水分補給は必須でした。
また最近は、湖沼や海で泳ぐ競技(トライアスロンやオープンウォータースイミングなど)も人気となっていますが、海外では国際大会の競技中に水温30℃以上の海で選手が死亡するという事故が起こったと聞いています。
どんなスポーツにおいても、「○○だから大丈夫」という固定概念にとらわれないでいただきたいですね。