高温多湿の日本の夏は犬にとっても辛い季節です。犬は人間よりも丈夫だと思われがちですが、犬は人間よりも暑さに弱い動物です。暑い日々が続くと次第に身体に疲れが溜まってきて夏バテを起こしてしまいます。

犬が夏バテしているときの症状

春先に比べ活発さがなくなり元気がない歩き方がゆっくりになる食欲がなくご飯を残すおやつしか食べない寝ていることが多い軟便または下痢をする

このように暑さからくる夏バテは人間の夏バテと似ているところもあります。
当てはまる項目があれば夏バテを起こしている可能性があります。
それぞれについて詳しく説明していきます。

春先に比べ活発さがなくなり元気がない

暑い日々が続くと次第に身体に疲れが溜まってしまいます。だるくなるべく動きたくないため飼い主さんの元に喜んで走ってくることも、おもちゃで遊ぶこともしたくなくなります。

歩き方がゆっくりになる

主に散歩中に見られる症状です。
夏の外は気温だけでなく、アスファルトの照り返しや地面の暑さを感じています。人間よりも地面に近い犬は特にその影響を受けやすく、普段散歩が大好きな子でも歩くスピードがゆっくりになりノロノロと歩くようになります。

食欲がなくご飯を残す

人間同様、犬も夏バテになると暑さから食欲が湧かなくなります。普段ならご飯の支度をしていると待ち切れず催促していたのがしなくなります。与えても不味そうにノロノロ食べたり、ニオイを嗅ぐだけで食べないこともあります。

おやつしか食べない

夏バテになると食欲が湧きません。そのため嗜好性の高いものだけを食べるようになります。食べるからとおやつばかりを与えてしまうと栄養バランスが悪く余計体調不良になってしまいますので注意が必要です。

寝ていることが多い

暑さによるダルさから身体をあまり動かしたくないためじっとしていることが多くなります。

軟便または下痢をする

夏バテが続き、ご飯も満足に食べていないと栄養バランスが悪く便が緩くなります。
長期の軟便や下痢はさらに体力を消耗してしまいますので長く続くようであれば動物病院へ連れて行きましょう。
またその他に「嘔吐」をするようであれば夏バテを通り越して「熱中症」になっている可能性が高いため様子を見ずに動物病院へ連れて行きましょう。

犬の夏バテ解消法

水分補給をしっかりと

脱水にならないように新鮮な水をいつでもたっぷり摂れるようにしましょう。散歩のときも水を持参してこまめな水分補給を心がけて下さい。留守番させるときも新鮮な水をたっぷり用意してから出かけましょう。
また屋外で飼っている場合は、いつの間にか飲み水が蒸発してなくなっていたりお湯になっていることもありますので注意が必要です。

食事からも水分が摂れるようにする

普段ドライフードを与えている場合は、フードにお湯をかけふやかし人肌の温度になったら与えます。ふやかすことでドライフードをたべるよりも水分が摂れ、また温めることで風味が立ち食欲をそそられます。
また普段の食事に水分の多い缶詰や水分を多く含んだ野菜や果物をトッピングして与えるのも効果的です。
食欲がないときは少量でもしっかり栄養が摂れる食事を与えましょう。

※夏場は食事が傷みやすいため残したものは放置せずにすぐに片付けましょう。

夏バテしやすい犬種

ダブルコート

ゴールデンレトリバーラブラドールレトリバーバーニーズマウンテンドッグボーダーコリーシベリアンハスキーシェットランドシープドッグ秋田犬コーギー柴犬スピッツポメラニアンなど

ダブルコートと呼ばれる二層構造の被毛をもつ犬種は寒さには強いですが暑さにとても弱いです。

短頭種

パグフレンチブルドッグシーズー狆ボストンテリアブルドッグなど

短頭種と呼ばれる鼻ぺちゃな犬種は、顔の構造上、呼吸がしづらく体温を下げるのが苦手です。夏バテだけでなく熱中症にもなりやすいためより一層注意が必要です。

犬の夏バテ予防法、対策

散歩は朝晩の涼しい時間帯に行く

夏は気温だけでなくアスファルトの熱や照り返しの影響も受けてしまいます。
散歩は早朝もしくは日が暮れてから行きましょう。その際に特に夕方以降は日中の熱が地面に残っている可能性がありますのでアスファルトを手で触り熱くないかチェックしてから行きましょう。

涼しい環境を作る

室外飼育の場合

日陰のある涼しい場所に犬小屋を移してあげます。難しい場合は「遮熱 断熱の外付けロールスクリーン」や「すだれ」を使い人工的に日陰を作りましょう。地面は熱いため「すのこ」や「ウッドパネル」を敷き、地面との空間を作ってあげると地面の熱が伝わりにくいです。

室内飼育の場合

犬は人間と違い汗をかかないため扇風機の風では涼しさを感じません。扇風機ではなくクーラーを使い室温を下げることが暑さ対策になります。その際は室温は26〜28度、湿度は50〜60%を維持するようにしましょう。
また冷たい空気は下へ溜まりやすいため、扇風機を使って空気を巡回させ床にいる犬が冷え過ぎないように気を付けて下さい。
その他には様々ある犬用の暑さ対策グッズ(冷たいアルミ板やマットなど)を上手く活用し、涼しく過ごせるような環境を作ってあげましょう。

食事は朝晩の涼しい時間に与える

気温が高いと食欲がわきませんから、気温が低い時間に食事を与えると食欲がわきやすいです。

まとめ

夏バテは熱中症とは違い数日から数週間かけてゆっくりと症状が出てきます。
夏バテかどうか見分けるには春先と比べてどうかがポイントです。
犬は自ら暑さ対策を取ることが出来ませんから夏バテをしないように普段の環境や食事を見直し早めに対策を取りましょう。


(獣医師監修:加藤桂子先生)