“塩顔男子”に注目のニューカマー! 『兄こま』杉野遥亮 & 『dヒッツCM』井上雄太の可能性

写真拡大

 昨今、塩顔男子ブームが続いているが、そこにニューカマーとして注目したい俳優がいる。杉野遥亮と井上雄太だ。杉野は『兄に愛されすぎて困ってます』が現在公開中、井上は初映画出演で初主演を飾った『ラオス 竜の奇跡』が公開中である。

(参考: 坂口健太郎、『ナラタージュ』で真に迫った演技 モデル卒業して実力派俳優へ

 杉野といえば、松坂桃李と菅田将暉がW主演を務め、人気音楽グループGReeeeNの楽曲「キセキ」が生まれる過程を描いた、今年の1月に公開された映画『キセキ ーあの日のソビトー』に出演。グリーンボーイズとしてCDデビューを果たしたことが記憶に新しい。杉野にとって、同作は映画初出演作。初の演技に、現場でもかなり緊張していたと聞くが、次第に菅田をはじめ、成田凌、横浜流星のグリーンボーイズのメンバーと打ち解け、ひいては『ミュージックステーション』(テレビ朝日)や、さいたまスーパーアリーナで行われたGReeeeNの10周年ライブでパフォーマンスをしてみせるまでになったのはご存じの通り。しかし、正直、同作での杉野は、周りの存在感が強かったこともあり、身長の高い青年がひとりいるな(杉野は185cm)という感想以上の印象を残すまでには至らなかった。

 第12回FINEBOYS専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、モデルとして芸能界にデビューした杉野。初の演技体験は同作だったが、視聴者へのお披露目は2016年10月期のドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ)が先である。杉野は印刷会社の営業マン・正宗信喜を演じて、「あの爽やかな彼は?」と注目を集めた。続けて1月期は草なぎ剛主演の『嘘の戦争』(フジテレビ系)への出演を果たし、『キセキ ーあの日のソビトー』公開へと繋がる非常にいい出方をした。そして現在は夜神里奈の少女コミックを実写した『兄に愛されすぎて困ってます』の映画版が公開中。土屋太鳳が主人公のヒロイン橘せとかを演じる本作で、杉野は、千葉雄大演じる芹川高嶺の弟でせとかの友達の芹川国光に扮している。

 杉野自身、周囲から“ちょっと天然”という評価をされており、そのことでさらに愛されているが、この国光役は杉野のパーソナリティがプラスに作用し、その自然体な空気に好感が持てる。大野いとと杉野が一緒にいるシーンは、そこだけでスピンオフを作ってもらいたくなるくらい、なんとも言えないほんわかと温かな空気を醸し出している。これは半年前の『キセキ ーあの日のソビトー』から、驚くほどの成長だ。緊張がほぐれたことで、自身の魅力を発揮しはじめた杉野。長身でありながら、妙にかわいいと感じさせるほんわか系の塩顔男子として、今後の躍進が楽しみだ。この秋には中条あやみ主演の『覆面系ノイズ』への出演も決まっている。

 もう1人の新たな塩顔男子、井上雄太は東宝芸能のオーディションで芸能界デビュー。一度は大手企業に就職し、サラリーマンとして働いていた経歴を持っている。しかしもともと夢だった俳優業を諦めずに、自分でオーディションに参加し、事務所所属を勝ち取った。大学時代にモデルをしていた際に、ある映画オーディションで落選したことがあり、そこで合格した別のモデルが、俳優としての階段を順調に上り始めたことが、夢へ再チャレンジするきっかけになった。

 現在は映画初出演にして初主演を飾っている『ラオス 竜の奇跡』が公開中だ。本作はラオスと日本の合作映画で、井上は60年代にダムの建設のためにラオスへと渡った日本人青年の川井を演じ、本編ではほぼラオス語で通す奮闘ぶりを見せている。ラオス語だけでもかなり高いハードルだったはずだが、初の映画とは思えぬ演技を披露しており、シーンシーンから芝居への真摯な姿勢が伝わってくる。

 小規模公開作品のため、同作を観ることができないという人もいるかもしれないが、実は井上は、竹ノ内豊が新たな魅力で惹きつけるドコモdヒッツのCMですでに顔を広めている。「急な雨編」「バスが来ない編」に出ているちょっと情けない青年が、井上だ。役者としてのスタートは遅くなったが、社会人経験があることも武器にできるはず。ただのカッコいい青年ではなく、独特の雰囲気を兼ね備えた役者として存在できるだろう。

 塩顔男子という括り方をすると、嫌悪感を覚える人もいるかもしれない。だがそれもこれも彼らを知ってほしいため。杉野も井上も、まだ羽ばたき始めたばかりだが、息の長い役者としての活躍を期待したい。

(望月ふみ)