酒を飲んでは暴力を振るう――DVをめぐる夫婦間のトラブルが原因だったのか。

 夫であり父親でもあった40歳の男は、その時も酔っぱらっていたという。宮城県登米市の母子3人焼死事件で、放火の疑いで県警に逮捕された島谷嘉昭容疑者は4日未明、自宅2階の寝室の布団にライターで火をつけ、軽自動車で逃走した。

 妻の美由さん(31)が同日午前2時半ごろ、「夫が家に火をつけた」と110番通報。

「彼女はその際、島谷容疑者の車種やナンバーも伝えたそうです。おかげで県警が緊急配備を敷き、島谷容疑者はパトカーの追跡を受けた。何度も『止まりなさい!』と呼びかけられても、無視。停止と発進を繰り返しながら、40分ほど逃走し続けたそうです」(捜査事情通)

 同日午前3時すぎ、自宅から約6キロ離れた登米市内の路上で緊急逮捕された際、島谷容疑者は酒を飲んだ状態だったという。

 島谷容疑者は「家族が死んでもいいと思った」などと殺意を認めるような供述もしているというが、むろん「酔った勢いで」が許されるわけもない。

「焼け跡から見つかった3人の遺体は、美由さんが長女・真央ちゃん(3)、次男・叶佑ちゃん(1)を抱きかかえるような姿だったそうです」(地元マスコミ関係者)

■事件前日も普通に出勤

 県警は殺人容疑でも立件する方針だが、捜査関係者によると、美由さんは2015年8月、「約1年前から、夫が深酒をしたときに平手で顔をたたかれることが、何度かあった」と警察に相談。美由さんの希望で被害届は出さず、二度と暴力を振るわないという誓約書を書かせた。それ以降、相談はなかったという。

 近所の住民は「(島谷容疑者は)子ども好きで面倒見もいい。家族仲も良く、幸せそうだった。そんなことをするような人ではない」と、口を揃えていたが、酒を飲んでは暴力を振るっていたのだ。

 美由さんは今年2月から、自宅から車で5分ほどのゲームセンターでアルバイトを始めた。

「前日も仕事をしていました。家庭で何があったのかは分かりません。非常に明るくて、面倒見のいいスタッフでした」(同社社員)

 島谷容疑者も美由さんの職場から500メートルほど離れた飲食店に勤務。従業員は「事件前日もいつもと同じように出勤し、特に変わった様子はありませんでした。家庭の事情については、何も聞いていないので」と振り返る。

「彼の店に行くと必ず挨拶に来ますし、仕事ぶりはマジメ。悪い評判は聞きません。酒は強いですが、ベロベロになるまで酔うことはなかった。奥さんは会えば挨拶する程度ですが、彼は愛想が良すぎるほど良かった。高校卒業後、彼は古物を扱うリサイクル会社に就職したのですが長くは続かず、私が知っている限り、飲食店、パチンコ店、また飲食店と、仕事をコロコロ変えていた。昔はリーゼントにしていたこともあったが、最近は黒い服を着て革靴を履き、車で通勤していました。仕事柄、帰宅は夜遅かったですね」(近隣住民)

 心の闇を隠すために、愛想を振りまいていたのかもしれない。