将来のために「意思表示」は早めが得策 「遺言」と「終活ノート」の違いとは?

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この先の人生をどうしたいのか

 結婚、未婚を問わず、老後のことが心配でたまらないとの声をよく聞きます。なぜなら平均年齢的にも夫は自分より早く逝ってしまい、残りの人生はおひとりさまになる可能性がとても高いから。

 たとえ子供がいても、自分の家族のことで精一杯。年老いた母親の面倒など看てもらえない可能性も十分にあります。そんな時に準備しておくべきは、自分がこの先の人生をどうしたいのか。死んだ後に家族などに何をして欲しいのかの意思表示をしておくことです。いわゆる終活ノートや遺言というものです。

 この2つの違いについておさらいしておきましょう。

いろんな種類がある終活ノート

 これからの将来、自分に何かあった時のため、周囲の人に伝えておきたいことを書いておくものです。死後だけでなく、認知症や事故などで自分の意思を伝えきれなくなった時のために準備しておくものと考えればいいでしょう。こう書かなければいけないという決まりはありませんが、事前に用意されている質問(項目)に答えながら書いていくことになります。

 世の中に出回っている数は相当数にのぼるので、自分の書きやすいと思ったものを選ぶのが一番です。つまり、日記帳を選ぶのと同じようなものですね。ただし、自由に書ける分、法的な拘束力はありません。

遺言は何度書き直してもOK

 こちらは自分の死後、残された人々に送るメッセージです。何を書いても構わないものの、財産処分や相続などについては法的な効力を持たせることができます。いや、まだ私はそこまでの年齢じゃない! と思うでしょうが、遺言は15歳以上なら作ることができるのです。そして何度でも作り直して良いのです。

 ただし、正式な遺言書とするには書き方などに決まりがあり、大別すると全文を自分で書く「自筆証書遺言」と、公証人に依頼して作成してもらう「公正証書遺言」の2つになります。

 どちらも同じことが書いてあれば効力は一緒ですが、「複数いる子どものうちひとりだけに全財産を譲る」とか、「愛人に全財産を譲る」などと書いても、正式な相続人は最低限の相続だけは請求できる(遺留分)ことは覚えておきたいポイントです。