セブン&アイHDとロハコのロゴ(写真: アスクルの発表資料より)

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 セブン&アイホールディングスは6日、アスクルとの業務提携に基本合意したことを発表した。ネット通販事業の強化で連携し、販売拡大や業務の効率化を進める。

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 11月末にはセブン&アイのECサイト「オムニ7」とアスクルの「ロハコ」、両社のサイトで互いの商品を購入できるようにする。EC物流、ECサイトの開発・運営の共同化に向けた検討も開始。「ロハコ」の既存インフラの強みを生かした新業態、生鮮食品ネット通販も開始する予定である。

 セブン&アイは、17年度を開始年度とする中期経営計画において、実店舗とネット通販を統合するオムニチャネル戦略の見直しに取り組んできた。リアルとITを融合させた購買データを基に戦略を図るとともに、Eコマース事業においては商品・サービスの見直しに努めることで顧客の利便性を追求してきた。

 アスクルは、オフィスに必要なものを届けるトータルオフィスサポートのパイオニアとして、中小事業所を中心としたオフィス用品通販で現在の地位を築いている。

 12年には一般消費者向けのオンライン通販事業「LOHACO(ロハコ)」も開始、生鮮食品から家電、日用品に至るまでアスクルで築いたネットワークを生かして、消費者向けも拡充してきた。今回のセブン&アイとの提携による新たな施設や設備はアスクル側が新設する予定であるという。

 セブン&アイは現在、多方面に事業改革を推し進めている。店舗自体も伝統あるレイアウトを捨て、時代に即した新レイアウト店を実験的に開始。筆者の最寄りのセブンイレブンがその実験店であるため訪問してみると、建物の構造自体は変わらないが、入り口入ってすぐ左手にあったカウンターが正面一番奥に移動し、カウンターは肉まんやコーヒー、ドーナツが置かれていても十分余裕のある作りになっていた。

 印象的だったのは、大型冷凍チルドケースが拡充されて窓側を塞いでいたことである。縦型の大型冷凍ケース4列にはさまざまな冷食が陳列されていた。通常窓側に配置されている雑誌類は規模を縮小し、内側にある棚の一角に移動。コンビニ伝統の雑誌を立ち読みすることで賑わいを見せるという手法の終焉を感じた。同社は21年までに既存店1万店舗とすべての新店に新レイアウトを採用する方針である。

 新レイアウトにおいて規模を拡大していた「冷凍食品」や、アマゾンなど他社も注力する「生鮮食品」といったものを実店舗やネット通販で拡充しようとするセブン&アイの意図は明らかである。今回のアスクルとの提携により宅配事業の底上げをすることで、オムニチャネル戦略をさらに推し進める同社の動きには今後も注目である。