“古都のネイマール”奥川雅也は確実に成長を遂げている

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 皆さんは奥川雅也を覚えているだろうか?京都サンガF.C.の下部組織出身で、15年にトップ昇格。 “古都のネイマール”と注目され、世代別の日本代表で戦った国際大会で活躍したことから、欧州のビッグクラブからも熱視線が送られた。

 トップ昇格した15年夏の移籍でオーストリアのザルツブルクと契約。同時にセカンドチームに位置付けられている2部リーグのリーフェリンクに期限付き移籍した。そして新シーズンはついに1部のマッテルスブルクでプレーすることが決まった。異国の地で成長を遂げる21歳は今、どのような考えでいるのか――。ゲキサカが現在地に迫った。

オーストリアでの成長――

―オーストリアに渡って2シーズンが過ぎました。

「1年目は試合に出られなくて、苦しいシーズンでした。その中で一番言われていたのが、攻撃はできるけど守備はまだ甘いということ。そこを改善しないと試合には出られないって言われていたので、個人的には攻撃より守備を強化した1年目でした。2シーズン目からは、守備も球際の当たりもだいぶ自然にできるようになってきて、ほとんど試合には出られたし、自分の思ったプレーもできるようになってきたので、そういう意味では2シーズン目は良かったのかなと思います」

―現状の課題は?

「守備ができるようになってきましたが、上に行くには結果が大事だと思います。それは毎日思っていることなんですけど、その結果がまだついてこない。今は次のシーズンをどうやっていけばいいかというのを考えています」

―結果は得点?

「そうです。目に見える結果というか。いくら試合で良いプレーをしていても、トップの監督とかはやっぱり結果を出せって言ってくる。トップ昇格もまだ分からないので結果を出していきたいです」

―京都にいるころより、サッカーに対してはハングリーになった?

「だいぶ変わりましたね。京都のころはボールが自分のところに来てからサッカーしよう、自分の持ち味発揮しようって感じていたんですけど、向こうではそれをしていたらダメなので、自分からボールを取りに行って、ガツガツ行くっていうのが増えました。チーム内のレギュラー入れ替えもすごくあるので、練習からガツガツ行っていたら試合にも出られるし、そういう面ではみんなすごいです」

―休日は何をしている?

「向こうでは一人暮らし。寝るか、iPadで動画見るかですね。2日オフなら外に出ますけど、1日オフのときは外には出ないです。南野(拓実、ザルツブルク)君とは一緒にごはんに行ったり、買い物にも行ったりします。南野君の試合は見に行ったりするし、得点も取るので刺激になります。相談もしますけど、会うときはだいたいリフレッシュのときなので、あまりサッカーの話はしないようにしています」

奥川雅也とは――

―奥川雅也というプレーヤーの原点を教えてください。まずサッカーを始めたきっかけは?

「滋賀県甲賀市は全然サッカーが盛んな地域ではないのですが、兄がサッカーをしていて、それを見に行ったりして、それにつられて始めました。兄と弟は今も社会人でサッカーを続けています」

―幼いころから目立つような選手だった?

「いいえ、チームにあと2人上手い子がいて、そっちのほうが上手いってコーチに言われていました。京都の下部組織に入れたのはラッキーで、滋賀県のトレセンに行っているときに京都に遠征があって、その時にサンガの人が見てくれていた。たまたまだったというのは聞きました」

―自分の実力がついてきたなって思ったのはいつぐらいから?

「中学2年で中学3年の試合にずっと出させてもらうようになってからですね。そこくらいから自信を持ち始めました。プロを意識しだしたのも中学2年ですね。中学2年がぼくにとっては一番ターニングポイントです」

―世界を意識したのはいつ?

「僕たちの世代でけっこう良い選手が集まっていて、全国大会も出ていたんですけど、それもあって世界大会にも行けて、そこで意識しました。前は日本でプロになりたいなっていうのがあったんですけど、海外でもできるんだなって思って、目標が海外に向いていきました」

―トップに上がってわずか半年で海外移籍を決断しました。

「早い段階で行けたらいいなって思っていて、そこで良い話が来ました。あの時期は本当に自信があったし、良いプレーもできていたので、U-18日本代表のロシア遠征でたまたま見てくれていたらしくて。得点も決めて、調子がよかったんです」

―リバプールが興味を持っていると報道されるなど、多くの選択肢があったようですね。

「でも高校卒業してすぐなので、そんなに大きく考えていませんでした。話を聞いたときにも『え!?ほんま?』って感じだったので、どうこう考えてっていうのはなかったです」

―どういう選手になりたい?どういうリーグに行きたい?

「行きたいリーグはスペインなんですけど、今、乾(貴士、エイバル)くんが活躍している中で早く行きたいっていうのがあります。自分も今は自分に合ったリーグでコツコツ自信をつけていければ、いつかスペインに行けると思っています。そういう意味では、もっと前に貪欲に行ける選手にならないといけない。もっと怖い選手になりたいです」

―乾選手の話も出ましたが、京都の先輩の久保裕也(ゲント)選手など他の海外組から受ける刺激はありますか?

「久保君は僕が中学のときにトップデビューしていたのですが、目標というか単純にすごいなという存在でした。オフの期間に他の日本代表でプレーしている海外組の選手とイベントに参加する機会がありましたが、一緒にやれるっていうのは、自分にとって良い経験になります。自分もっていう意欲になるので、僕も早く代表に入れるように頑張りたいです」

―『古都のネイマール』の愛称も継続でいい?

「ネイマール選手はずっと目標にしている選手なので嬉しいです。いつか対戦してみたい人。一緒のチームだと、たぶんボールが回ってこない(笑)。ナイキのスパイクを履いているのも、中1の時のプレミアカップで優勝して貰ったスパイクがネイマール選手が履いていたスパイクだったからです。そこから僕はずっとナイキ。今は自分に合ったものを提供してもらっているので、奥川モデルとして販売してもらえれば最高ですね!」

(取材・文 児玉幸洋)
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