腫瘍発見時の対応を悔やむ声も

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 乳がんで亡くなった小林麻央さん(享年34)とがんとの闘いの始まりは、2014年2月にまで遡る。夫・市川海老蔵(39才)と一緒に人間ドックを受診した麻央さんの左胸に、腫瘤が見つかったのだ。

「改めて触診と超音波検査、マンモグラフィーを受けましたが、乳腺線維腺腫という良性の腫瘤だと見受けられたようです。はっきりしない点もあり病院側は3か月後の再診をすすめたそうですが、麻央さん自身は担当医や知人から楽観視するような言葉をかけられていたこともあり、深刻にはとらえていなかったようです」(梨園関係者)

 当時、麻央さんは生後11か月の長男・勸玄くん(4才)に母乳を与えていた。授乳期には乳房が張ることも多く、「乳瘤」と呼ばれる母乳貯まりがしこりのように感じられることもある。麻央さん自身、週1回母乳マッサージに通っており、乳房の状態には人一倍気を使っていた。

「授乳期にしこりができたり乳房が張って硬くなるというのは、女性にとっては常識のように思われています。ですが、妊娠中や授乳期に乳がんにかかる可能性はゼロではありません。むしろ、乳腺が発達して乳房が張ることでしこり自体を発見しにくく、気づいたときにがんが進行してしまっているケースも多々あるのです。決して“そういうものだから”という先入観を持ってはいけません」(医療関係者)

 この段階で、麻央さんの体が乳がんに侵されていたかは今となっては判然としない。だが、中には担当医の「がんの見逃し」を指摘する声もある。麻央さんはこのとき、細胞を取ってがんの有無を調べる『生検』が必要かどうかを担当医に確認したが、答えは「必要ないでしょう」というものだったという。元国立がんセンター中央病院院長の土屋了介氏が解説する。

「乳がんにおいて、触診やマンモグラフィーは、『スクリーニング検査』と呼ばれるものにあたります。別名『ふるいわけ』ともいわれますが、これは“がんの疑いがあるかどうか”を見極めるもので、“がんであるかどうか”を確定させる検査ではありません。対して、『生検』は針やメスで組織の一部を切り取って顕微鏡で確認します。医療に絶対はありませんが、ほぼ間違いなく“がんかどうか”の診断が可能です」

 いうなれば、麻央さんが受けたのはがん検査の前段階に過ぎなかったわけだ。土屋氏が続ける。

「現在の医療体制では、よほどの異常がある場合を除いて、生検を受けることは比較的少ないです。ですが、がんはとにかく早期発見することが肝要。早ければ早いほど治る可能性も高くなりますから、スクリーニング検査で不安があったならば、生検を受けて何かしらの結論を出すところまで対処すべきでしょう」

 生検を受けなかった麻央さんはその後多忙を極め、改めて検査を受けたのは、3か月後でも半年後でもなく、人間ドックから8か月後の2014年10月だった。自宅で勸玄くんと遊んでいた麻央さんは、左胸にパチンコ玉大のしこりを見つける。左胸に芽吹いた乳がんは、すでにリンパ節にも転移していた。

「“がんの進行は若い人ほど早く、年齢を重ねた人のほうが遅い”と定説のようにいわれますが、がんの種類によってまちまちですし、個人の体質などによっても変わります。最初の段階で麻央さんの体ががんに蝕まれていたのか定かでないのではっきりしたことはいえませんが、検査が先延ばしになっていなければ、違う結果になっていた可能性もあるのではないでしょうか」(前出・医療関係者)

※女性セブン2017年7月20日号