世界に3台しかない特別なMRIスキャナーで撮影された脳スキャンの映像がBBCで公開されています。このMRIは軸索がどのように神経信号を送っているかを可視化することができ、カラフルな画像で信号がどの方向に流れているかや、軸索の密度がどのように変化しているのかを見ることが可能となっています。

What the brain's wiring looks like - BBC News

http://www.bbc.com/news/health-40488545

以下がイギリス・カーディフ大学の脳研究イメージングセンター(CUBRIC)にあるMRIスキャナーで撮影された画像。脳のうち、神経線維が集積している白質を示しています。白質は何十億という神経信号を脳のある部分から別の部分へと伝えます。



青・赤・緑などさまざま色は、神経信号の動きを表しているとのこと。緑は前後の動き、赤は左右の動き、青は上下の動きを示しているそうです。



脳を上から見るとこんな感じ。特に青色の部分が多いことがわかります。このようなカラーリングによって研究者らは情報が脳をどのように行き来しているのかを知ることができます。



一方で、赤と緑の2色でわけられたMRI画像も存在します。赤色は脳の外側に向けて神経繊維の密度が減っている部分、緑色は中程度の密度がある部分です。



脳の奥深く、神経が密集しているところは白色で示されています。



クローズアップ、クローズアウトも可能で、どんどん近づいていくと……



こんな感じで神経繊維の様子を見ることができます。この技術は痴呆やてんかん、多発性硬化症などの調査に用いられるとのことです。



このMRI検査を受けたのはジャーナリストのファーガス・ウォルシュ氏。BBCの医療特派員であるウォルシュ氏にとってMRI検査を受けるというのは特別なことでなく、CUBRICで検査を行っている時も45分の間、何も特筆すべきことは見当たらなかったとのこと。しかし、見せられた画像は情報伝達の方向だけでなく脳接続の密度まで示している驚くべきものでした。これまでのMRI撮影では、多発性硬化症を患う人の脳を撮影しても、機能障害のある場所しかわかりませんでした。しかし、CUBRICが有する最新のMRIスキャナーがあれば、軸索の密度が示され、障害のある部位が運動や認知を司る場所への情報伝達に対してどのように影響しているかがわかります。

CUBRICのDerek Jones教授は、通常のMRIが双眼鏡なら、この最新MRIはハッブル望遠鏡のようなものだと語っており、研究者らは構造と機能の両方を初めて一度に見られるようになるとのことです。