「マクドナルド 公式サイト」より

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 リーズナブルな価格設定とボリューム満点のセットメニューがうれしい、ハンバーガーチェーン最大手の日本マクドナルド。長きにわたりファストフードの王座に君臨していたが、中国国内の取引先工場による鶏肉使用問題や相次ぐ異物混入騒動、期限切れのなどが原因で深刻な客離れを起こし、2014年度には218億円、15年度には347億円もの最終赤字を計上する憂き目に。

 そんな危機的状況だったマクドナルドが起死回生の策として取り組んだのが、日本という国柄に合わせたサービスの徹底や、かつてのヒットメニューであるチキンタツタのリバイバル販売など。戦略が功を奏し、16年度は対前年比で19.6%も売上を伸ばし、3年ぶりの黒字転換を果たしたのである。

 今回はそんなマクドナルドをめぐる「ハンバーガーのトッピングやソースは増量できる」という噂が真実か否かを確かめるべく、同社PR部担当に取材した。

●顧客満足度の高いサービスを大々的に告知しない理由

「ハンバーガーに含まれているピクルスや、マスタード、ソース類の量を増量できるというのは本当です。もちろん行っているサービスは増量だけではありません。完全にピクルスやソース類を抜いたり、少なめにしたりするといった、お好みに合わせて対応させていただいておりますが、チーズ、ベーコン、レタスには対応しておりません。なお、新たな具材を足す『トッピング』サービスも行っておりません」(日本マクドナルドPR部)

 世間で飛び交っている噂は事実だったようだ。しかし、なぜ利用者の好みに応えるこのようなサービスを大々的に宣伝しないのだろうか。

「以前よりピクルスやマスタード抜きなどの対応はしておりましたが、正式にソース類の多め・少なめといったご要望にお応えするようになったのは14年4月からです。とはいえ、弊社がご提案している商品がベストの組み合わせだと考えております。ゆえに大々的な告知はしておりませんが、よりお客様のお好みに合わせておいしく召し上がっていただくことで、“最高の店舗体験”をご提供できましたら幸いです。ちなみに全国、全バーガーメニューで対応しております」(同)

 14年から開始されたサービスだということは、業績不振に悩まされていた15年にも継続して行われていたということになる。こういった地道な“お客様ファースト”の姿勢が、16年の業績回復につながったのかもしれない。

●「マックの裏メニュー」が相乗効果的に認知度を高めた?

 ちなみに16年にも実施したが、17年にも通常時間帯のハンバーガーメニュー16種にスモークベーコン、ホワイトチェダーチーズ、ガーリックチリ、トマトの4種のうち3種までのチョイスが可能な「マックの裏メニュー2」が、今回紹介しているサービスとは別に実施されていた。朝マック13種でもスモークベーコンのトッピングができ、組み合わせの数は合計583通りにものぼり、自らが注文したトッピングをSNSで紹介する利用客も多く見受けられた。

 このような消費者の多様性に特化したキャンペーンが、14年から継続して行われていた「ハンバーガーに入っているピクルスやオニオンなどの具材やソース類を多め・少なめにできる」というサービスに、改めてスポットが当たったきっかけかもしれない。実際、こちらのサービスに対しても、“好きな具材を多めにしてもらえた”といった喜びの声をネットに投稿している利用客が多く見られるようになったのは、ここ1〜2年の話のようである。

 残念ながら、この増量・減量サービスを利用する消費者の具体的な数字は公表していないとのことだが、マクドナルドPR部は「商品に限らず、さまざまな面でお客様の店舗体験の向上につながるサービスをご提供に努めてまいります」とのコメントもしてくれた。

 いずれにせよ、顧客一人ひとりが求めるニーズに応えようと打ち出されたソース類、ピクルス、オニオンなどの具材の増減サービスが、現代の多様化した食の好みを満足させていることは間違いなさそうだ。14年から大々的な宣伝をせずにスタートしたマクドナルドのサービスが少しずつ注目を集め始めたのには、“時代が追いついた”という側面があるのかもしれない。
(文=増田理穂子/A4studio)