「Thinkstock」より

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「貯金を増やしたい」と思った人が、失敗しがちなことがあります。それは、「今日や明日の出費」を減らそうと思ってしまうこと。

「これも我慢しよう」「あれも我慢しよう」と思い、そのうち、その我慢に耐えきれなくなり、リバウンドのように散財してしまい、元の木阿弥に……というケ-スは非常によくあります。

 貯金は、今日や明日のお金を貯めるのではなく、長い目で考えることが重要です。そこで、無駄な出費かどうかを判断するために、ぜひ一度、ものすごいロングスパン=「一生」で考えてみてください。

●そのたばこやコーヒー、一生でいくらになる?

 たとえば、日々のちょっとしたときに口にしている嗜好品。たばこやお菓子、コーヒーなど。いったい、いくらかかっているでしょうか。

 1回あたりはたいしたお金ではありませんし、仕事をがんばるためには必要なものかもしれませんが、「これを一生続けると、いくらになる?」と計算してみると、思ったよりも大きな金額になって驚くはずです。

 たとえば、1日300円を使っていると、10年でいくらになるかご存じでしょうか。

 300円×365日×10年=109万5000円です。

 なんと、100万円以上のお金を使っていることになります。

 自分にとってはたいしたことがないお金だと思っていても、積み重ねると膨大な金額になります。計算していただくと、驚かれる方が非常に多いです。

 現在35歳の方が65歳までの30年間、1日300円使ったとすると、300万円以上になります。85歳までの50年間なら、なんと500万円以上のお金になるわけです。

 嗜好品は自分の楽しみのひとつなので、すべてやめるのは難しいという人もいるでしょう。では、半分にしてみたら、どうなるでしょうか。10年間で50万円、30年間で150万円、50年間で250万円が貯まるようになります。

 嗜好品のとりすぎは、健康悪化につながることもあります。そのあたりも考えた上で、ぜひ見直してみてはいかがでしょうか。

●月2万円の保険でトータル1000万円以上の出費に

 お金のご相談の中で多いのが、「保険に入るべきかどうか」というお話です。

 万が一のことがあったときに自分や家族が困らないように入るのが保険です。そもそも、万が一のことがあるかどうかは誰にも予測できないため、「入るべき」「入らないべき」という確実な判断は、正直誰にもできません。

 また、万が一のときに、国や職場などからどれくらいお金が出るか、また本人は貯蓄がどれくらいあるか、ということも考えた上で保険に入るかを検討する必要があるので、全員に共通して「保険に入るべき」「入るべきではない」ということをお伝えするのは難しいものです。

 とはいっても、毎月払う保険料は決まっていますから、トータルで見て自分が納得できるものかどうかは、一度考えておく必要があると思います。

 仮に、35歳の男性が保険に毎月2万円を支払っていたとします。この保険料を80歳まで支払うとなると、トータルでいくらの出費になるでしょうか。

 35歳から80歳までの45年間で、2万円×12カ月×45年間=1080万円になります。意外に大きな金額で驚くことと思います。もちろん、保険に加入してすぐ、たとえば5年後に(2万円×12万円×5年間=120万円の保険料を支払った段階で)万が一のことが起こり、保険金が支払われる可能性もありますので、45年間必ず保険料を払い続けるとは限りませんが、ずっと払い続けたケースを考えておく必要はあるでしょう。

 この結果にあまり納得できず、そもそも保険に入った理由として「よくわからないけど、なんとなく不安だったから」といった理由であれば、保険ではなく、月々2万円を普通の貯金として貯めていくという方法もあるわけです。

 もちろん、現在の貯蓄が0円だったり、限りなく少なかったりする場合は、保険に入っておいて万が一の際のリスクに備えることは大切です。ですが、そもそも自分が払っている保険料がトータルでいくらになるのかは知っておきたいところ。そして、本当にその保険に入るべきなのか、判断材料のひとつにしたいものです。

●20円安い洗剤、一生でたった4000円の節約?

 また、お金を節約する際も同様です。日々、必死に節約をしても、一生で考えると割に合わないケースもあります。

 たとえば、洋服を洗濯する際の洗剤について考えてみましょう。ドラッグストアの売り場で「278円のものにするか、258円のものにするか」と迷う人もいるかもしれません。

 でも、洗剤は、決して毎日買うものではなく、3カ月に1回程度でしょうか。それなら、1回あたり20円安く買っても、1年間で80円トクになるだけです。35歳から85歳までの50年間では、4000円の節約です。

 そう考えてみると、「どっちが安いかな」などと考えている時間のほうが、もったいないかもしれません。

 つまり、毎日や毎月など定期的に頻繁に買っているものから無駄な出費を見直すほうが、効果的だというわけです。

 ぜひ一度、自分の出費について「一生続けると、どうなるかな」と計算してみてください。削減すべきものが、きっと見えてくると思います。
(文=西山美紀/マネーコラムニスト)