昨年話題となった"普通の人"、マーカス・ウィリスが帰ってきた [ウィンブルドン]

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 昨年ウィンブルドンを沸かせた"普通の人"、マーカス・ウィリス(イギリス)が水曜日にウィンブルドン(イギリス・ロンドン/7月3〜16日)に帰ってきた。もっとも今回はセンターコートでロジャー・フェデラー(スイス)とシングルスをプレーするためではなく、ダブルスをプレーするために。そして今回は負ける代わりに、彼は勝利をおさめた。

 まるで映画の脚本のように、イギリスのテニスクラブのコーチであるウィリスが、ウィンブルドン2回戦でフェデラーと対戦する権利を得たとき、彼は世界ランク772位だった。その彼は今回、シングルスの予選決勝で敗れた。

 しかしダブルスでは、彼とジェイ・クラークのペアに本戦のワイルドカード(主催者推薦枠)が与えられ、ふたりはジャレッド・ドナルドソン(アメリカ)/ジーヴァン・ネドゥンチェリヤン(インド)との1回戦で、最初の2セットを落としながら6-7(4) 5-7 7-6(3) 6-0 6-3で巻き返し、9番コートの観客たちを大いに興奮させたのだ。

「今、すごく興奮し、ワクワクしている。これは選手、皆が夢見ていることだ。ウィンブルドンで2セットダウンから挽回し、スタンドを埋め尽くした観客が大騒ぎしてくれている」とウィリスは言った。「これは本当にすごくいい瞬間だ」。

 いまだ両親といっしょに住み、1時間40ドルほどでテニスのレッスンを行っている26歳のウィリスは、2016年の数週間に、かなりの数の『すごくいい瞬間』を紡ぎ合わせた。

 彼はランキングの低いイギリス人選手のためのプレーオフで3勝を挙げ、それによってウィンブルドン予選に出場すると、さらに3勝することでキャリア初の本戦出場の権利を手に入れたのである。

 そして彼がそれ----ウィンブルドン本戦1回戦----に勝った瞬間、フェデラーに対する重要な対戦がセットアップされた。

 ウィリスのあり得ない進撃は、3セットのストレート負けをもって終わりを遂げた。彼はそれ以降、ツアーレベルでの本戦の試合をプレーしていない。彼は現在、380位だ。

 ウィリスは、今回のウィンブルドンではまだフェデラーに出くわしていないと言い、「トップ選手は彼らだけのためのロッカールームを持っているんだろ?」と聞き返した。

 昨年のウィンブルドンでスポットライトを浴びて以来、いくつかのことが変わった。彼は結婚し、父親になった。またいくつかのことは変わらぬままだ。彼はいまだ、地元のジャーマン・テニスクラブのためにプレーしている。

 ウィリスとクラークはダブルスの2回戦で、第2シードのピエール ユーグ・エルベールとニコラ・マウのフランス人ペアと対戦する可能性がある。エルベール/マウの試合は木曜日に予定されている。

 もし彼らが次の対戦相手だったとしたら、ウィリス/クラークは驚きを生み出せるか?と尋ねられ、ウィリスは「ああ」と答えた。「誰にだって勝つ可能性はあるよ」。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「ウィンブルドン」のダブルス1回戦に勝利したあと、多くのファンに囲まれたマーカス・ウィリス(イギリス)。ウィリスは昨年のウィンブルドンで、シングルスの世界ランキングが772位ながら本戦2回戦でロジャー・フェデラー(スイス)とセンターコートでプレーし、"シンデレラ・ボーイ"と注目を集めた。(写真◎Getty Images)
Photo: LONDON, ENGLAND - JULY 05: Marcus Willis of Great Britain is congratulated in victory after the Gentlemen's Doubles first round match against Jared Donaldson of the United States and Jeevan Nedunchezhiyan of India on day three of the Wimbledon Lawn Tennis Championships at the All England Lawn Tennis and Croquet Club on July 5, 2017 in London, England. (Photo by Julian Finney/Getty Images)