終盤に長谷川がダメ押しの4点目を奪い勝負あり。一時は1点差に追い上げられたが、終わってみれば3点差をつけての快勝だった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ13節]川崎 4-1 浦和/7月6日/等々力
 
 浦和レッズを相手に川崎フロンターレが4-1と快勝した試合は、その行方を決めた最大の要因として、浦和の自滅があることは論をまたない。浦和が作ってくれた隙を川崎が逃さずに突き、序盤からゴールを重ねた。と同時に、タフに試合の流れを手繰り寄せた場面があったことは記しておきたい。73分に1点を返され、2-1とされた直後の場面だ。
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 サッカーでは、よく「2点差が危ない」と言われる。4バックにして自滅した浦和は、後半から本来の3-4-2-1にシステムを戻し、ペースを握り返していた。川崎が決定機を立て続けに外すなか、CKから槙野智章が1点を返し、浦和が追い上げムードを醸し出していた時間帯だった。
 
 しかし、2失点目もあり得る雰囲気が漂うなか、川崎の選手たちはタフに戦う姿勢を示していた。この時間帯について、後半から途中出場していた長谷川竜也が語ってくれた。
 
「みんな守りに入るんじゃなくて、もう1点自分たちが取りに行こうという気持ちだったと思うので。どんどん攻めに出ていましたし、それで3点目が取れたのが大きかったと思います」
 浦和に2失点目を奪われるのではないかと恐れるのではなく、3点目を取りに行く姿勢を持てていたということ。そして実際に3点目を取れたことが大きかったと長谷川は話す。
 
 こうして3点目を意識しながら試合を進められた理由のひとつとして、「ピッチ上の選手たちが鼓舞しあったからだ」と話すのは谷口彰悟だ。
「別にまだ勝ってるし。そんなやばいという感じではなかったです。ちょっと日和ってしまう感じもありましたが『大丈夫、大丈夫!』という感じで鼓舞していて、自分自身も鼓舞してやれました」
 
 この場面を、キャプテンの小林悠はこう振り返る。
「下を向いている選手はいなかったですし、得点できそうな感覚もあったので。みんなで目を見合いながら『3点目、3点目!』『行こう、行こう!』、と手を叩きながらやれていました」
「セットプレーからの1点だったので、そんなに自分たちも下を向く必要はなかったです」と話したのは車屋紳太郎だ。多くの選手たちが話すように、川崎は強い気持ちを持って、2-1の次の1点を取りに行っていた。そして実際に3点目、4点目を奪ってみせたのだ。
 
 2-1のスコアを良しとして、守りに入る選択肢もあり得る場面で、次の得点を取りに行く姿勢をチーム内で共有できたのは、前節の神戸戦を前に鬼木達監督が「追加点の大事さ」を口にしていたからであろう。そういう意味で、鬼木監督のチームマネージメントは巧みだった。
 
 いずれにしても浦和というクオリティの高いチームを相手に2点を先行。さらに1失点後も攻撃の姿勢を失わないメンタルを維持できた。それがこの浦和戦を4-1という大勝で終えられた要因であろう。状況を判断し、劣勢をね返す一枚岩の精神状態で戦えているのは間違いない。
 
取材・文:江藤高志(川崎フットボールアディクト編集長)