ユベントスとの急接近が伝えられるのが、このダニーロ。前任者D・アウベスにも見劣りしない攻撃性能は、大きな魅力だ。(C)Getty Images

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 アーセナルがクラブ史上最高額の5300万ユーロ(約64億円)でリヨンからフランス代表FWアレクサンドル・ラカゼットを獲得するなど、7月に入っていよいよ本格化しつつある2017年夏の移籍マーケット。残り2か月でさまざまなドラマが予想されるが、今夏はサイドバック(SB)の玉突きが起きそうな気配が漂う。

 中国資本を後ろ盾を受けて積極補強を展開中のミランは、すでにスイス代表の左SBリカルド・ロドリゲス(←ヴォルフスブルク)を確保。右SBも、アタランタで台頭したアンドレア・コンティとの契約が間近に迫る。

 これにより退団が現実味を帯びてきたのが、イタリア代表の左サイドを担うマッティア・デ・シリオ。かねてから本人は移籍を志願しており、ミラン側も2000万ユーロ(約24億円)程度と見積もられる売却益を見込み、受け入れ先を探している。

 そのデ・シリオの獲得を画策するのがユベントスだ。すでに右のダニエウ・アウベスが契約を解除。左も、アレックス・サンドロに超高額のオファーが届いている。ユーベは売り時を逃さないクラブだけに、手放す可能性は十分あるだろう。

 そうした事情を考慮すると、左右に対応するデ・シリオはユーベにとってうってつけの存在。まずはD・アウベスの後釜候補として交渉を進め、A・サンドロを手放す運びとなったら、そのデ・シリオをより得意とする左にスライドさせ、新たに右に実力者を迎える――十分に現実味のあるシナリオだ。

 事実、かねてから右を本職とするマッテオ・ダルミアン(マンチェスター・ユナイテッド)に熱視線を注いでおり、ここにきてレアル・マドリーで控えに甘んじるダニーロと急接近中との報道もある。

 ユーベを退団したD・アウベスの獲得に近付いているのが、その恩師であるジョゼップ・グアルディオラが指揮するマンチェスター・シティだ。バカリ・サーニャ(移籍先未定)、パブロ・サバレタ(ウェストハムへ)の退団が決まり、右は現在エキスパートが不在。D・アウベス本人がチェルシーからの好条件のオファーを断ってもいるだけに、このまま契約成立となる可能性が高い。

 マンチェスター・Cは左も手薄で、すでにガエル・クリシが契約満了となり(移籍先未定)、来年の夏に契約が切れるアレクサンダル・コラロフにも移籍の噂が絶えない。実際、モナコで一躍名を揚げたバンジャマン・メンディやイングランド代表のライアン・バートランド(サウサンプトン)などに熱視線を注いでいる。
 A・サンドロの獲得に本腰を入れつつあるのがチェルシーだ。3-4-2-1を基本システムとするアントニオ・コンテ率いる同クラブは、手薄な左ウイングバックが重要な強化ポイント。一部報道によると、クラブ史上最高額の7000万ユーロ(約84億円)を用意する本気ぶりだという。

 マンチェスター・Uも左SBの強化が喫緊の課題で、メンタルタフネスが足りないとジョゼ・モウリーニョ監督が失格の烙印を押したルーク・ショーに代わる主力級の確保に動いている。急接近が伝えられるのが、トッテナムのダニー・ローズ。豊富な運動量やダイナミズム、安定した守備はまさにモウリーニョ好みだ。

 一方、右SBを強化ポイントに掲げるのがバルセロナ。昨シーズンは本来攻撃的MFのセルジ・ロベルトがまずまずのパフォーマンスを披露したとはいえ、強豪との試合では、前任者のD・アウベスと比べてとくに縦への推進力で不足感が否めなかった。

 そのターゲットの本命に掲げているのがカンテラ育ちのエクトル・ベジェリンで、すでに個人合意を取り付けているようだが、アーセナルの激しい抵抗もあり、交渉に時間を要しそうだ。

 他にも、右はベンフィカのネウソン・セメドやバレンシアのジョアン・カンセロ、左はドルトムントのラファエル・ゲレイロなどが市場の人気銘柄に。彼らを巡って熾烈な争奪戦が勃発しても不思議はない。