カタール首都ドーハで、携帯電話を見る男性(2017年7月2日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ペルシャ湾(Persian Gulf)岸のカタールが近隣諸国から国交を断絶されて1か月近くが過ぎた。住民らは、断交下での日常生活への適用を余儀なくされている。

 野菜や牛乳はイランやトルコからの輸入品を買わざるを得ず、人々は生活必需品の値上げに不満を漏らしている。また近隣諸国の大半がカタール航空(Qatar Airways)の領空通過を拒否していることから、国際線のフライト時間が通常より長くなるという事態にも直面している。

 首都ドーハ(Doha)のスーパーマーケットで買い物をしていた男性は、「政府が代替品を用意してくれているので、(商品不足の)問題はない。若干の値上げはあるが、何とか耐えられる程度だ」と話した。とはいえ自分も家族も買い物を減らさなければならないのは事実であり、「教訓を生かして消費を減らしている」と認めた。

 サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、エジプトの4か国は先月5日、カタールが過激主義を支援しているとして断交に踏み切り、同国をたちまち孤立させた。カタール側はそのような事実はないと否定したにもかかわらず、サウジアラビアとその賛同国はカタールとの空路と海路を遮断した上、唯一陸続きの国境も封鎖。カタールは食料品も含め、輸入に不可欠な経路を断たれてしまった。

 外交危機という側面が大きいとはいえ、その影響の一部は同国で暮らす人々の生活にも徐々に広がりつつある。

 物資不足への不満も募ってきている。好みの食べ物が買えないというだけでなく、例えば自動車の交換用フロントガラスなど、普段そこまで気にしていないがないと困るという物品も手に入らなくなっている。

 インド出身のある露天商は、「国境封鎖後に値段が跳ね上がった、特にルッコラやパセリ、セイヨウアサツキはひどい」と語った。

■外国人居住者にとって「悪夢」

 個人にはさほど影響しない問題と思われるかもしれないが、カタールで暮らす270万人のうち約9割が外国出身者で、断交は市民生活に重くのしかかってきている。レバノンからの駐在員の女性は、「断交は悪夢。早急に解除されるよう願っている」と述べた。

 中でも夏季休暇を国外で過ごそうとする人にとって、問題は明白だ。あるヨルダン人男性は、断交による飛行規制により同国首都アンマン(Amman)からドーハに行くのにオマーンのマスカット(Muscat)を経由しなければならず、「乗り継ぎに6時間かかった」と嘆いた。

 人道上の問題も生じている。湾岸諸国が自国内に暮らすカタール人に対して出国を命じると同時に、カタールにいる自国民に帰国を要請したことは多大なる影響をもたらしている。

 カタールの国家人権委員会(NHRC)は、1万3300人以上が「直接的な影響」を被っていると指摘。UAEに夫と子どもと暮らしているカタール人女性が、UAEからの出国を命じられたとの報告もある。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は、サウジアラビアとカタールとの国境地点で先月17日から立ち往生させられている男性について懸念を表明している。気温が連日45度に達する場所だ。

 サウジアラビアは、男性はカタール人だと主張する一方で、カタール側は男性の市民権は1990年代に剥奪されたとしている。HRWはカタールに対し、男性の入国を認めるよう要請している。
【翻訳編集】AFPBB News