2016年の水害で、水没し土煙があがる南陽の市街地(画像:微博)

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北朝鮮は、今年春から深刻な日照りに苦しめられていたが、一変して今度は大雨の被害に遭っている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、現地では先月30日から一部地域で雨が降り始め、今月2日の時点でも降り続けている。朝鮮中央テレビによると、4日まで雨が続いた地域があった模様だ。

海水温上昇が原因か

会寧(フェリョン)市を流れる五鳳川(オボンチョン)と金生川(クムセンチョン)が氾濫危険水位に達したため、近隣住民は避難準備を始めている。また、学校は授業を午前11時で終え、生徒を帰宅させた。

昨年8月末に台風10号(ライオンロック)が北朝鮮の北東部を襲った際には、会寧市だけで440人が死傷し、970戸の家屋が破壊される大きな被害が発生した。そのため、市民の水害に対する警戒心は非常に高いと情報筋は述べた。

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両江道(リャンガンド)の情報筋は、各地に住む親戚の話として、平安南道(ピョンアンナムド)、江原道(カンウォンド)、黄海北道(ファンヘブクト)でも農地の一部が浸水していると伝えた。その原因は用水路だ。

当局は、1970年代から内陸地域で用水路の建設を進めている。ところが、堤防がないため、少しでも雨が降ると水が溢れて田畑が浸水してしまう。それでも当局は何ら対策を講じようとしておらず、今後も被害が繰り返されると思われる。

ちなみに、3日の朝鮮中央テレビの天気予報によると、当日6時から17時までの間に江原道の平康(ピョンガン)の降水量は89ミリを記録した。一見、大した量には思えないが、防災インフラの整っておらず保水力の落ちたハゲ山の多い北朝鮮では、この程度の雨が大災害を引き起こすことがある。

2015年8月22日、咸鏡北道の羅先(ラソン)では大雨により市内全域が冠水、山崩れが起き、400人もの犠牲者が出た。その時の降水量は160ミリだった。

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このような異常気象は、黄海の海水温の上昇が一因と言われている。韓国の国立水産科学院と韓国水産資源管理公団の資料によると、1968年から2015年までの間に黄海の海水温は1.2度上昇した。とりわけ、1991年から2010年までの間には0.81度も上昇している。