日本伝統の「畳」と、同じく日本発祥の伝説的アーケードゲーム「SPACE INVADERS(スペースインベーダー)」を融合した商品がこのほど、インターネット上で話題になった。

製造するいぐさ製品の老舗メーカー・株式会社添島勲(そえじまいさお)商店(福岡県大川市)に、デザインの背景を聞いた。

出典元:添島勲商店 ©TAITO CORPORATION 1978 ALL RIGHTS RESERVED.

いぐさ織りを表現する意匠

同社は、家具製造が盛んで、かつ畳の原料となる「藺草(いぐさ)」の産地である大川市で1949(昭和24)年に創業。

伝統産業として「国産いぐさ100%」にこだわる一方、デザイナーや他ブランドとも積極的に協業し、1990(平成2)年には、業界初というグッドデザイン賞を受賞している。

出典元:添島勲商店 ©TAITO CORPORATION 1978 ALL RIGHTS RESERVED.

「SPACE INVADERS」は2013年、独立行政法人・中小企業基盤整備機構のプロジェクト「EN」で、架空の国をコンセプトに据えたファッションブランド「FUGAHUM(フガハム)」とのコラボレーションで生まれた。

日本の独自文化である畳の情緒的な雰囲気を生かしつつ新たな価値を生み出そうという試みの中で、対極にあったデジタルゲームと融合させる発想に至ったという。

そんな中でさまざまな意匠を検討したのですが、いぐさ織りの面白さが直感的に伝わりやすく意匠としても、インパクトの強いSPACE INVADERSがモチーフとして選ばれました。

ちょうど開発年が、SPACE INVADERSの35周年記念の年でもあったので、よく注目をいただきました。

(同社の添島さん)

織り方にこだわって立体的に

出典元:添島勲商店 ©TAITO CORPORATION 1978 ALL RIGHTS RESERVED.

立体感のある模様を実現しようと、織組織(おりそしき、織り方の規則)の組み合わせにこだわっている。

最初にスペースインベーダーの図案を提示された時、添島勲商店が真っ先に考えたのが、「柄を立体的に表現する」ということでした。

柄を繊細に表現できるよう、経糸(たていと)を多く使った袋織という織り方をセレクトし、より立体的に見せるため、織組織の組み合わせを工夫しました。

図案を見た時にこれは行けるなという感触がありましたので、その後の開発についてはまさにとんとん拍子で大変スムーズでした。

図案の選定を除くと正味1カ月程度で開発ができました。

提供:添島勲商店 ©TAITO CORPORATION 1978 ALL RIGHTS RESERVED.

アナログゲームとコラボしたい

SPACE INVADERSだけでなく、今後も畳の特性を生かせるアイデアを探し続ける。

個人的には最近のCGが綺麗なゲームではなくて、昔のアナログなゲームのキャラクターとコラボレーションしたいです。例えば、パックマンやマリオなどのゲームとコラボ出来れば嬉しいです。

ただ、契約料が非常にお高いと思いますので、先方からのOEM(編注:相手先のブランドによる委託生産)のような依頼であればいちばん良いですね。

既存の概念にとらわれない発想が、伝統工芸の継承につながっている。

提供:添島勲商店 ©TAITO CORPORATION 1978 ALL RIGHTS RESERVED.

※製品画像は、ニューサイトIRORIOが添島勲商店の許可を得て掲載しています。